「リターン」という言葉に込められた意味とは
黒と赤のレザーが艶やかな光沢を放つエアジョーダン1 レトロ HIGH ザ リターン"Gym Red"。だが、その「リターン」という言葉が示すように、そのスニーカーの誕生には驚くべき裏側が隠されている。リターンシリーズが誕生するにいたった経緯をたどりながら、以下にエアジョーダン1 レトロ HIGH ザ リターン"Gym Red"を詳しく紹介していきたい。


驚くべき背景
マイケル・ジョーダンは1985年～86年にかけてのシーズンに、足を骨折した。怪我の程度からしても、ジョーダンが後の試合でチームの勝利に貢献するのは困難だと思われた。しかし、なんと彼は、プレイオフには奇跡の復活を遂げることができたのである。というのは、ジョーダンの復帰を全力で後押ししようと、ナイキが彼の負傷した足をもっともサポートできるようなシューズの開発に着手したからであった。当初ジョーダンは、安定感に大きな信頼を置いていたエアジョーダン2の中から自らの足に適するシューズを模索していたようだ。だが、実感としてはエアジョーダン1のタイプがいちばん自分の足にはフィットすると彼は見いだしてもいた。

そこでナイキはエアジョーダン1のフィット感と、エアジョーダン2の安定性をあわせ持つ、まったく新しいタイプのエアジョーダンをつくりだした。そうして生まれたのがエアジョーダン1 ザ リターンである。


エアジョーダン1、エアジョーダン2、ふたつのコンビネーション
エアジョーダン1 レトロ HIGH ザ リターン"Gym Red"は、デザインの特徴として黒のレザーがベースとなっているが、赤と黒のツートーンが主なカラーウェイとなっている。

それから、このエアジョーダン1 レトロ HIGH ザ リターン"Gym Red"は、その構造についてもこれまでのジョーダンシリーズとは一味違う。なんといっても、エアジョーダン1と2の利点を合わせ持つというコンセプトの基につくられたシューズである。具体的には、レザーにはしっかりとしたフィット感と、外見からしてもレトロな雰囲気を感じることのできるエアジョーダン1のレザーが採用されている。そして、ミッドソールにはクッション性に優れ、安定性には定評のあるエアジョーダン2のソールが取り入れられているのだ。

そして、主なデザインである赤と黒というカラーウェイはもしかすると、シンプルではあるがリターンシリーズのなかでもベストなカラーウェイだといえるかもしれない。レッドとブラックが織り成すクールなそのデザインを目にすると、ファンにとっては思わずたまらなくなるだろう。実にスタイリッシュでかっこいいシューズだ。マイケル・ジョーダンの奇跡の復活を実現させたエアジョーダンリターンシリーズ。他を圧倒するデザインと、その突き動かすようなエネルギーが込められたエアジョーダン1 レトロ HIGH ザ リターン"Gym Red"に足を入れた瞬間、あなたはいてもたってもいられなくなるだろう。