アメリカ西海岸の古豪

ロサンゼルス・ラムズはアメリカ西海岸に位置するカリフォルニア州のロサンゼルスに本拠地を構えるNFLチーム。スーパーボウル制覇は1999年の第34回にまでさかのぼる。当時のラムズは現在の本拠地ロサンゼルスではなく、ミズーリ州セントルイスに本拠地を置いていた。ラムズが誕生したのはオハイオ州クリーブランドで1937年にNFLに加入。クリーブランドで9シーズン戦った後、1946年からロサンゼルスに本拠地を構えることとなる。つまり、クリーブランド→ロサンゼルス→セントルイス→ロサンゼルスという変遷だ。ミズーリ州セントルイスに本拠地を構えていた1999年にスーパーボウルを制覇。2016年には再び本拠地をロサンゼルスに戻す事となる。リーグチャンピオンは3回（NFLチャンピオン2回・スーパーボウル1回）、カンファレンス・チャンピオンは6回、地区優勝は15回に上るが、2003年を最後にタイトルからは遠ざかっている。

アメリカンドリームをつかんだ男

名QBカート・ワーナー。彼はラムズを語るうえで欠かせないプレーヤーだ。ワーナーはドラフト外でNFLのパーッカーズに入団。しかし力を発揮できずすぐに解雇となってしまう。その後アリーナフットボール（AFL）の選手として契約するも、給料が低く、生活を支えるため時給6ドルにも満たないスーパーでアルバイトを行いながらプレイを続けた。AFLで大活躍を見せたワーナーは、1998年にラムズと契約。NFLヨーロッパに一年派遣され、そこでも大活躍を見せたワーナーは1999年念願のNFLラムズのQBとして先発出場を果たす。1999年はシーズンを通して4553ヤード、41TDを記録しシーズンMVPとしてスーパーボウルに出場。そこでも414ヤードを投げスーパーボウルレコードを樹立しスーパーボウルMVPに選ばれる。その後もキャリアを重ね、2009年には1900万ドルの年俸を獲得するまでに至ったのだ。まさにアメリカンドリームを体現したワーナー。ワーナーを中心としたパス攻撃による大躍進により、ラムズはスーパーボウルを初制覇することができたのだ。ラムズは今年ロサンゼルスに本拠地を移し、1999年以来、2度目のスーパーボウル制覇を虎視眈々と狙っている。

今後のラムズに注目

今年からロサンゼルスに帰ってきた「ラムズ」。久し振りにロサンゼルスに帰ってきたということで、地元の人気も上々のようだ。もともとロサンゼルスにはNFLチームがなく、多くの地元の人も待ちわびていたラムズだが、ここ数年はシーズン通して負け越しが多くなり、決して強豪とは言えないが、地元の熱に押されて良い成績を残してもらいたいところだ。今後のラムズには第二のカート・ワーナーのような優秀な選手を獲得し育てられるかがカギになるだろう。もちろん地元ファンとしてはスーパーボウル制覇を目指してほしい所だが、まずはシーズン勝ち越しと地区優勝を目標に一戦一戦を確実に勝ち続けてほしい。ロサンゼルスにはNBAのレイカーズ、MLBのドジャースなど他のスポーツのライバルも多いが、そうしたライバルにも負けずファンを引き留めておくことができるかどうか、これからのラムズに注目だ。