スポーツフィッシングの歩みとともに ～STRIKE KINGの歴史～

STRIKE KINGの歴史は、さかのぼれば1964年から始まる。テネシー州メンフィスで、ビル・マクイーンが自身の名を冠した釣り具店で、STRIKE KINGというブランドのルアーを発売したのだ。その後、事業の買収などを経て、バスアングラーだったチャールズ・スペンスやレイ・ムルスキらにより、1972年にSTRIKE KINGとして設立されることになる。

ルアーメーカーとしてのSTRIKE KINGは、バス釣りトーナメントの発展とともに成長するスポーツフィッシング市場とともにその規模を拡大していった。1984年には偏光サングラスを販売開始し、ルアーだけでなくウェアも重要な製品ラインアップとなる。

90年代にはスポーツフィッシング市場自体の成長が鈍化、STRIKE KINGも厳しい経営を余儀なくされるが、経営陣の交代や事業戦略の変更などて業績は回復していく。2000年代に入ると、契約するプロアングラーであるケビン・ヴァン・ダムの活躍もあり、新製品のルアーもヒットするなど、ウェアを含めたルアーフィッシング・アウトドア用品メーカーとして、全米でもトップクラスの知名度を誇るようになり、現在に至る。


高性能とスマートなデザイン ～STRIKE KINGの製品～

ルアーフィッシングに限らずアウトドアの楽しみと言えば、ウェアやアイテム選びを挙げる愛好者も少なくないだろう。STRIKE KINGでも、前述のように偏光サングラスを主力製品としてきた経緯がある。

偏光サングラスは、もちろん単なるファッションアイテムではない。通常のサングラスと異なり、乱反射する光だけをブロックするため、見ようとする対象だけを見やすくしてくれるのである。具体的には、ルアーをキャストした水面が晴れた日にはギラギラと光っている、その反射光だけを取り除いてくれ、水中のルアーやラインの動きが良く見えるようになるのだ。

STRIKE KINGの偏光サングラスは、偏光率100 %を誇る。つまり、乱反射する全ての光をカットしてくれる優れものなのだ。これは見やすさだけでなく、紫外線による目の疲労を低減する意味でも重要な機能である。また、ずれにくい鼻パッド部分や、軽量フレームを採用するなど、使いやすさも意識しつつ、スマートなデザインや豊富なカラーリングも揃えている点が、アメリカで長く選ばれてきた理由と言えるだろう。

ベストに挑むために ～戦略としてのSTRIKE KING～

ルアーフィッシングがスポーツとして捉えられている理由は、トーナメントも開催される競技性や純粋に釣り上げることだけを目的として、キャッチアンドリリースする慣習だけにあるのではないだろう。

場合によっては、長時間に渡りポイントを変えるために移動し続け、適切なタックルを選び直し、ポイントに的確にキャストし続ける必要があり、その身体性はスポーツそのものである。その意味では、アングラーたちがウェアやアイテムにこだわるのは、単なる楽しみだけではないとも言える。

それは、自身の技量を最大限発揮するための、戦略の一部なのだ。先に例に挙げた、STRIKE KINGの偏光サングラスでも、それが無ければ正確なキャスティングやフッキングは難しくなるかもしれない。逆に、水面や水中の動きが良く見えていれば、今狙っているポイントで何が起こっているのか把握するのも容易になるだろうし、ターゲットとなる魚の動き・反応に合わせてこちらのアプローチを変えることも可能だ。疲労度が軽減されれば、それだけチャンスが増えることも、当然考えられる。

ルアーだけでなく、ウェアやアイテムも含めて事業展開してきたSTRIKE KINGと契約するトッププロたちが好成績を収めているのは、単なる偶然ではないのかもしれない。あらゆる局面を想定したアイテムの準備も、ルアーフィッシングにとって重要なファクターなのである。