ドイツの老舗釣具「DAM」のルアー

「DAM」は、ドイツのアングラーの中で、その名を知らないものはいないという釣具メーカーだ。「DAM」の起源はドイツで、約140年の歴史を持つ。古くからあり、世界でもまれに見る長い伝統を持っているメーカーだが、古き良きにこだわることはせずに、常に新しい何かをアングラーに提供している。

「DAM」は、主に、中欧や東欧を中心として展開している。日本では、「DAM」の名前を大きく聞くことはあまりないが、ヨーロッパでは、もっとも有名なメーカーのひとつといって良い。常に、高品質でありながらリーズナブルな価格でアングラーにアイテムを提供し、フィッシング業界で確固たる地位を築いている。

主な製品としては、ルアーはもちろんのこと、ロッド、リール、ライン、フックなどのタックルから、テントやブイ（浮き）など、幅広いアイテムを生産、販売している。日本で言えば、「DAIWA」や「SHIMANO」と同じような企業だといえるだろう。

また、幅広いアイテムを作りながら、カープ（鯉）フィッシング用や、ヨーロッパオオナマズ釣り用など、マニアックな釣り具を生産していることでも有名だ。加えて、海用では、ヘビールアーキャスティング用ロッド（ショアジギングなど）や、マグロ用ロッドなどの生産も手がけている。

「DAM」のアイテムは、アングラーの探究心やかゆいところにまで手が届き、ターゲットとなる魚との最高の出会いを提供してくれるのである。まさに、あなたがキャッチしようとするターゲットへ向けて、最適なタックルをすべて提供してくれるメーカーだ。


「MAD」の波動系で、バイトを誘え！Strike Kingシリーズ

Strike Kingシリーズは、日本でもよく目にするようになってきた波動系、または、ピーナッツ系と呼ばれるルアーである。別名では、シャロークランクと呼ばれることもあるルアーで、体高が高く、横幅があり、リップが短いという特徴をもつ。

大高、大幅のため、空気抵抗があり飛距離が出ないと思われがちだが、ミノーなどに比べて、ウェイトがあり、軽くキャストするだけでも、簡単に飛距離を出すことができる。

また、このStrike Kingシリーズの特徴として、ただ巻きで釣れるところも大きなメリットだ。通常のルアーでは、ロッドアクションをつけて、ベイトを演出しなければならない。しかし、Strike Kingシリーズは、リトリーブするだけで、ボディからベイトが逃げるときに発する水を掻き分ける振動、つまり、波動を出すのである。

したがって、難しいロッドアクションをつけることも必要なく、初心者でも扱いやすく、そして、簡単に目的とするフィッシュイーターターゲットをキャッチすることができるのである。


「MAD」Strike Kingシリーズでの釣りの面白さ

前述のとおり、このStrike Kingシリーズは、誰でも簡単にリトリーブだけでターゲットをキャッチできる波動系のルアーであり、とても使い勝手が良いのだが、ルアーの特性上、水面から50cmから1mほどしかもぐることができない。そのため、比較的浅いシャローポイントを選ぶことが必要になってくる。具体的なポイントとしては、流れ込み、立ち木、ワンドなどから、少し流れのあるポイント、ブレイクなどを攻めたい。

釣り方は簡単だ。同じポイントにキャストして、一定の速度でリトリーブしてくるだけだ。ロッドを持つ手に、ブルブルと強い振動が伝わってくるので、そのままリトリーブしてくればよいのだ。リトリーブしている最中にバイトしてくるが、あわせる必要がなく勝手にターゲットがバイトする。

また、同じポイントに2回から5回ほどキャストして、ルアーのアクションが崩れない速さでリトリーブし、その後にキャストしたら、ゆっくりと、水面を掻き分ける速さで再度リトリーブすると、水面に波動を出すことができる。これにより弱った魚を演出することができ、バイトに持ち込みやすくなる。

最後に、スレたターゲットをキャッチするには、リアクションバイトが有効だ。サイトフィッシングでよく使える手法である。スレたターゲットの1mほど横の位置を、やや早めのリトリーブで横切ると、ターゲットはStrike Kingシリーズが生み出す波動に負け、条件反射でバイトしてくるのである。

Strike Kingシリーズは、どんな状況、どんなターゲットも相手に出来、釣りの楽しさを最大限にもたらしてくれるルアーである。初心者から上級者まで、タックルボックスの中に1つは必ず入れておきたいルアーだといえるだろう。