イギリスの自転車パーツメーカー、Sturmey Archer

Sturmey Archer（スターメーアーチャー）はイギリスで100年以上の歴史を誇る、自転車パーツメーカーだ。主に回転パーツを製造しており、現在は香港を生産拠点に活動している。内装変速機の元祖としても有名で、現代でも主流の内装3段変速機を開発したメーカーと言われている。

英国では大手の自転車ブランドもSturmey Archerのパーツを使用しており、特に内装3段変速機は開発当時クラシックなロードバイクとして有名なRALEIGHの上位モデルにも使用されていた。

歴史は古いものの、日本の自転車ブランドとの関わりは薄く、変速機を標準搭載しているブランドは少ないが、一部の自転車ファンには熱狂的なファンも多く自らの愛車にSturmey Archerのパーツを組み込んで使用している。

100年以上の歴史を誇るだけあり、クラシックな魅力を秘めたパーツも多く、単純な性能だけでなく、その点に魅了されて、Sturmey Archerのパーツを利用するユーザーも非常に多い。

今回はそんなSturmey Archerのパーツの中でも人気とされている、ピストバイク用のハブと呼ばれる変速機について詳しく見ていこう。


ピストバイクに変速機！？Sturmey Archer S-RF

ピストバイクといえばシングルスピードと呼ばれる、変速機の使わない自転車のことを指す。競輪などにも使用されるこちらの自転車だが、近年はそのシンプルなデザイン性が受け、街乗りの定番自転車として、ファッションカルチャーの中でも人気の自転車である。

ピストバイクの特徴はなんといっても変速機の使わない固定ギアだが、近年では自転車に対する規制の強化なども相まって、シングルスピードのピストバイクは街乗りには不向きになりつつある。

しかし、ピストバイクをできるだけ快適に乗りこなしたいという需要は未だに多く、そんな要望に応えるべくおすすめするのがSturmey ArcherのS-RFと呼ばれる自転車パーツだ。

このパーツはハブと呼ばれる変速機なのだが、ホイールに装着することで、シングルスピードのピストバイクに変速機能をつけられる非常に便利なパーツなのだ。

街乗りにおいては平坦な道だけではなく、アップダウンの激しいコースを走ることもたくさんあるだろう、もちろんノーマルギアのままでも走れるだろうが、変速機能がつけられればその快適性は断然上がると言える。取り付けも非常に簡単で、日本で流通しているピストバイクのホイールにも対応している。

デザインも非常にシンプルでピストバイクの一番の魅力である、無駄を省いたデザイン性をしっかりと維持できる点も魅力の一つだ。


無駄を省いた独自のブレーキ、Sturmey Archer S2C

ピストバイクのブレーキ問題といえば、テレビなどのメディアでも度々取り上げられたノーブレーキピストである。

ピストバイクの魅力であるシンプルなデザイン性を重視するために、リアブレーキを外して走行する、ノーブレーキピストは安全面の問題から現在は規制対象となっている。しかし、ブレーキのカスタマイズをしなくとも、ピストバイクの魅力を維持できる仕組みが存在するのだ。

Sturmey Archer S2Cは、ハブと呼ばれる機能とコースターブレーキと呼ばれるブレーキを簡単にホイールに搭載できる。デザインはスタイリッシュで、見た目からはリアブレーキを外したピストバイクとほとんど変わらないが、しっかりとしたブレーキ性能とキックでギアをチェンジできる変速機能をピストバイクに導入できるのだ。

この機能性とデザイン性を両立できるハブは一部のピストバイク乗りに近年注目されている自転車パーツの一つで、日本国内だけではなく世界各国の街乗りのピストバイクに密かに導入されつつある。

価格は海外通販などでは1万円以下で取引されているため、手軽に購入できるという点も魅力だ。