子どもたちのアイディアが詰まった一足
2004年から始まったナイキのチャリティープロジェクト「ドーレンベッカー フリースタイル コレクション」。この企画は、米オレゴン州のドーレンベッカー小児科病院に入院する子どもたちがスニーカーをアレンジし、ナイキが販売、その売上を病院の基金に寄付するというものだ。

これまでも、フォームポジットワン、ジョーダン10などがこのプロジェクトの一環として製品化されてきたが、今回はエアジョーダン8をベースとしたものが発売される。ドーレンベッカーコレクションは、毎回子どもたちの自由なアイディアが詰まった個性的なモデルが人気だが、その例外にもれず、今回も彼らの遊び心に溢れた無邪気な感性が生み出すデザインが魅力の一足に仕上がっている。

ブルーを基調としたシューズには、差し色としてイエローやオレンジが使用され、タンにはインパクト大の蛇のグラフィックが施されている。そのほかにもサイドに入った「BRAVE」の刺繍やソール部のバスケットボールの意匠など、本コレクションの特徴であるスペシャルなデザインが魅力的だ。


ジョーダンのNBA3連覇を足元から支えたモデル
ところでエアジョーダン8と言えば、1993年に発表され、ジョーダンのNBA3連覇に貢献した一足としても知られている。なんといっても特徴的なのは、アッパー中央のクロスストラップ。ジョーダン本人の究極のテーマであった「シューズのフィット性」をさらに向上させる機構の一環として、前年に発売された「エアレイド」から継承される形で採用された。

ジョーダン8は、ストリートよりもメインターゲットであったプレイヤーたちに高く評価され、その高いサポート性、フィット性から多くの選手達に愛用されたモデルでもある。今回はそんなAJの歴史においても重要なポイントとなったジョーダン8が、毎回話題のドーレンベッカーコレクションからリリースされるとあって、ファンの間での期待も着実に高まっている。

もともとデザインのバリエーションが多くないジョーダン8。今回は子どもたちにより新たな生命が吹き込まれたそのスタイルは、実用性だけでなくプレミア感も兼ね備えた特別な一足に仕上がっている。


ナイキの持てるすべてが詰まった作品
エアジョーダン8の特筆すべきポイントとして、その実験性の高さが挙げられる。デザインにしろ機能にしろ、まさに当時のナイキの持つ技術やノウハウの全てをつぎ込んだ一足と言っても過言は無いはずだ。もちろんそのコンセプトなどについては賛否もあったが、AJの歴史を語る上で欠かすことのできない重要な存在であることには違いない。

また復刻版では、機能やデザインが現代のユーザーニーズにマッチしたものにアップグレードされているものも多く、先進的な部分はそのままに、より地に足の着いた使い勝手の良さを味わえるはずだ。それに加えて今回はプレミアム感満載のコレクションアイテムとしてリリースされるため、ファンにとってはより見逃せないアイテムになっている。

時代を先取りした先進性と、子どもたちの創造性が融合したAir Jordan 8 VIII Retro DB Doernbecher (729893-480)。ぜひチェックしておきたい逸品だ。