New York Knicks(ニューヨーク・ニックス)
2024-12-03 / 542 view
黄金期、迷走期、そして捲土重来へ
ニューヨークで最も人気のあるスポーツチームとも言われる、ニューヨーク・ニックス。チーム名は正式にはニッカーボッカーズ、つまり、17世紀に現在のニューヨークを開拓したオランダ系移民を指している。ニューヨークの歴史を背負う名を持つこのチームの誕生は1946年。創設間もないNBAのファイナルに進出するなど、好成績を収めた時期を経て、1960年代後半から70年代初頭にかけ、2度の優勝を果たす黄金期を迎える。その後、低迷期を迎えるものの、90年代には伝説的名選手パトリック・ユーイングを擁し、再び強豪チームとしてトップ戦線の常連となった。しかし優勝を果たすことはできなかったニックスは、2000年代に入ると経営やチームマネジメントの面で迷走を重ね、再び長い低迷期を味わうこととなる。しかし、世界一資産価値の高いバスケットボールチームという評価を得るなど、NYのみならず世界的な人気を誇るニックスは、現在チーム再建に本格的に乗り出しているところだ。球団社長には過去シカゴ・ブルズの監督として11度の優勝経験があるフィル・ジャクソンを据え、地元出身のスター、カーメロ・アンソニーをリーダーとして新加入選手とのバランスを取りながらこの2016-17シーズンも闘っている。
「スーパースター」から「チームリーダー」へ
ニックスの代表選手を一人選ぶならば、現在のメンバーにおいてはカーメロ・アンソニーを挙げることに反対する者はいないだろう。4度のオリンピック出場と3度のゴールドメダル獲得、NBAオールスターにも何度も選出された、正真正銘のスーパースターだ。細かいステップで相手を抜いてからのジャンプショットに加え、近年では3ポイントにも磨きがかかっている。2016年に引退を表明したコービー・ブライアントにも早くから評価されていた通称「メロ」。しかし、所属チームでは順風満帆というキャリアを過ごしては来なかった。デンバー・ナゲッツから移籍したニックスでのプレー期間を含め、個人としては大活躍を見せても、NBAチームタイトルとは無縁のまま、既に32歳となっている。オフシーズンには移籍の話題も出るだろうが、NYのファンたちはニックスで彼にタイトルを獲ってもらいたいと願っているだろう。もともと、高い得点能力と裏腹のワンマンプレーやディフェンススキルの低さを批判されてきたカーメロだが、このところのシーズンでは違った顔も見せている。2シーズン目にして大ブレイクしているクリスタプス・ポルジンギスとは対立するのではとの見方も強かったが、むしろこの長身の新星に対し、カーメロがサポートするようなプレーも見受けられ、チームとしての勝利を目指している姿勢が感じられる。とはいえ、やはり得点数はカーメロがチームトップではあるが。
ニューヨークに、飛び切りのクリスマスギフトは?
そのニックスだが、今期は12/20現在で14勝13敗。イースタンカンファレンスの6位としている。3連勝、4連勝もするかと思うと、12月に入ってから3連敗したりと好不調の波が強いのは否めないところだ。しかし、先にも触れたカーメロとポルジンギスのコンビネーション、今期から加入したデリック・ローズも含め、誰がコートに出ても勝負できるチームになっていることには間違いない。12月の残りゲームで、上位浮上を狙えるだけの力は充分にあるはずだ。サンタクロースが子供たちにプレゼントを配る風習がアメリカに広まったのは、オランダ系移民が伝えたのが始まりだとされている。ニューヨークのニックスファンたちも、オレンジのユニフォームを着たサンタクロースから、勝利という名のギフトが届くのを楽しみにしていることだろう。