Oakland Athletics(オークランド・アスレチックス)
2024-11-21 / 1067 view
ドラマチックな歴史を持つ強豪
ブラットピットが主演した映画「マネー・ボール」をご存じだろうか?敏腕GMが、低迷していたチームを独自の野球理論でリーグ屈指の強豪へと再建する物語だ。リーグ最低年俸でありながら、2年連続でシーズン100勝を記録。日本でも一躍有名となったチーム、それがオークランド・アスレチックスだ。もともとアスレチックスは1893年にペンシルベニア州フィラデルフィアで誕生、その後リーグが開設した1901年からずっとアメリカンリーグに所属している。1955年から1967年までのシーズンはミズーリ州カンザスシティに本拠地を構え、その後1968年からカリフォルニア州オークランドに本拠地を置いている。オークランド・アスレチックスは名前が長いため単に「A’s」(エーズ)と呼ばれることが多い。リーグ開設以来、地区優勝16回、リーグ優勝15回、ワールドシリーズ制覇9回を誇る屈指の名門球団だ。日本人プレーヤーも幾人か在籍していた。2005年には元阪神の藪が、2010年には岩村明憲、2011年には松井秀喜、2013年には元西武の中島裕之が在籍していた歴史がある。
球団のマスコットは白い象
オークランド・アスレチックスのマスコットは「ストンパー」。ユニフォームの袖にこのマスコット「ストンパー」があしらわれている。ご覧の通り、バットを鼻に持ち、ボールの上で曲芸をしている白い象だ。「ストンパー」がアスレチックスの象徴になったのにも深い歴史がある。今から1世紀以上前の1905年、ワールドシリーズ出場を果たしたアスレチックス。その相手は猛将、ジョン・マグロー率いるニューヨーク・ジャイアンツ。そのジョン・マグローがアスレチックスのことを、英語で「無用の長物」という意味の「白い象(white elephant)」に例え、意味のない存在であると挑発する。それに奮起した当時のチームは自嘲の意味も込めてマスコットに採用したのだ。その後、1911年に再度ワールドシリーズでジャイアンツと対戦したとき、見事ジャイアンツを倒し、ワールドシリーズを制覇、雪辱を果たしたのだった。優勝パレードには実際に「白い象」を参加させ(実際には象に白い包帯を巻いたもの)大いに注目を集めた。
バッシュブラザーズと近年のA’s
アスレチックスは1980年代後半に、チームとして3度目の黄金期を迎える。当時の主力はホセ・カンセコとマーク・マグワイヤのバッシュブラザーズ。それに加え、史上最高のリードオフマン、リッキー・ヘンダーソンが在籍しており、リーグ屈指の攻撃力を誇った。投手陣も先発陣としてデーブ・スチュワート、ボブ・ウェルチ、マイク・ムーアの三本柱が大活躍。クローザーとしても300セーブ以上を記録したデニス・エカーズリーを擁し、リーグ屈指の投手陣だった。結果、1989年にはジャイアンツとの「ベイブリッジシリーズ」を制し、ワールドシリーズ制覇を成し遂げる。2007年から2011年は目立ったタイトルを取ることができず、2009年には最下位にまで成績が陥った。地区優勝も逃すシーズンが続いたが、2012年、2013年シリーズには地区連覇を達成。特に2012年には最大13あったゲーム差をひっくり返し、6年ぶりの地区優勝に輝いたのは記憶に新しいだろう。何かとドラマチックな展開を披露してくれるアスレチックスから、今シーズンも目が離せない。