Cleveland Browns(クリーブランド・ブラウンズ)
2024-11-16 / 442 view
AAFC出身の老舗チーム
アメリカンフットボールと言えばNFLだが、かつて4年だけ存在したアメリカンフットボールリーグが存在していたのをご存じだろうか。その名は、オール・アメリカン・フットボール・カンファレンス(AAFC)。1946年にNFLに対抗して設立され、8チームが所属していた。後にAAFCはNFLに吸収合併され、3チームのみが合流した。その3チームのうちの1つがクリーブランド・ブラウンズだ。ブラウンズは、わずか4年間のAAFCの全シーズンでチャンピオンとなり、NFLに合流した最初のシーズンでも優勝し、NFLに衝撃を与えた。しかし、成績的な面から見ればブラウンズの最盛期はこの1950年代ということになる。1996年には、ブラウンズのボルチモア移転騒動が起きる。騒動は、ボルチモアに別名の新チームを設立、選手はブラウンズの選手がボルチモアに移り、クリーブランドには新生ブラウンズを設立することで決着した。特に新ブラウンズ発足以降、成績は低迷しており、ここ10年ほどはAFC北地区で最下位の4位に甘んじる年が多い。
伝説のランニングバック、ジム・ブラウン
ブラウンズの歴史の中で最も特筆すべき選手は、1950年代後半から1960年代にかけて活躍したジム・ブラウンだろう。キャリアの全ての年でオールスターに選出され、新人としてのラッシュ記録を40年間保持するなどまさに伝説的なフットボールプレイヤーと言える。プロ・フットボールの殿堂入りはもちろん、大学時代にフットボールと並行してプレイしていたラクロスでも殿堂入りを果たしている。彼の背番号32は、ブラウンズの永久欠番となっている。
現在のチームで注目すべき選手は、クオーターバックのロバート・グリフィン3世(RG3)だろう。2012年にワシントン・レッドスキンズから全体2位指名を受けてNFLキャリアをスタートさせたRG3は、同年に大活躍し、レッドスキンズの13年ぶりの地区優勝に貢献、最優秀新人賞を受賞した。しかし、走るクオーターバックというプレースタイルが災いし、ケガを重ねる。コーチらとの確執もあり、2016年にブラウンズに移籍した。ブラウンズは、1999年以降、24人ものクオーターバックが入れ替わってきた同チームを立て直すことができるかが注目されている。
熱狂的な「野犬収容所」
近年、成績的には低迷期にあるブラウンズだが、「Dawg Pound(野犬収容所)」と呼ばれる熱狂的なファンが存在し、ブラウンズのスタジアムの東のエンドゾーン一帯を指す。2001年には、ジャクソンビル・ジャガーズ戦での審判の判断に怒ったDawg Poundたちがスタジアムにビールのボトルを投げこみ、試合が中止されるという前代未聞の事件(Bottlegate)を起こしたことでも有名である。ブラウンズのプレイ面以外での特徴は、NFL32チーム中、唯一ロゴ―マークを持たない点だ。ヘルメットもチームカラーのオレンジをベースに茶色と白のストライプが入ったシンプルなデザインであり、対外的にはロゴマークの代わりにヘルメットのイラストが用いられている。また、同じ地区に所属するシンシナティ・ベンガルズは、1963年にブラウンズとの契約を打ち切られたヘッドコーチのポール・ブラウンが設立したチームであり、両者はライバル関係にある。かつての名門チームが低迷期から抜け出せるのか注目だ。