Kansas City Royals(カンザスシティ・ロイヤルズ)
2024-10-12 / 237 view
順調な発展と、泥沼の低迷期を超えて
カンザスシティ・ロイヤルズは、1969年のMLB球団拡張の際に誕生し、アメリカンリーグに加入した比較的新しい球団と言える。創設から数年は苦戦を強いられ、地区の2番手に甘んじていた。
それでも1976年に地区初優勝を果たすと、機動力と守備力を武器に地区を3連覇。強豪チームとして認められるようになる。そこからリーグ優勝を果たすまでには、さほどの時間を要しなかった。1980年、生え抜きのジョージ・ブレッドが打率4割に迫ろうかという活躍を見せるなどして、アメリカンリーグを初制覇したのである。ワールドチャンピオンに輝いたのは、さらに5年後の1980年。創設から17年目のことだった。
そこまで順調に歴史を築いてきたロイヤルズだが、黄金の80年代を過ぎた後、長く低迷することになる。初めて地区最下位を経験した90年代を経て、2004年から4年連続の最下位を味わい、かつての栄光が嘘のような時期を過ごすこのである。
復調の兆しは2010年代に入ってから見られ始めた。2014年には ワイルドカードでのポストシーズン突入から、怒涛の連勝でアメリカンリーグを制すと、翌2015年には開幕からスタートダッシュを決め、30年ぶりのワールドシリーズ優勝を果たし、完全復活を遂げている。
強肩でチームを支える、若きチームの要
2016年シーズンは、前年の勢いを維持できずに低調のまま終わることとなったロイヤルズだが、安定した成績を残しているのが、正捕手のサルバドール・ペレスだ。まだ26歳ながら、既に3度のゴールドグラブ賞に輝くなど、MLBを代表する捕手の1人と言っていい。
2013年にはWBCにも出場している、このベネズエラ出身の若者の武器は、まずはその強肩だろう。ルーキーリーグ時代から高水準の盗塁阻止率は、メジャー昇格後も30%以上を維持し、2016年にもリーグトップの48%をマークしている。1塁なら座ったままで正確に送球できる肩で、幾度も相手チームのチャンスを潰してきた。ペレスが出場している時の投手防御率がMLBトップクラスであることも頷けるというものだ。
また、捕手としての2年間の出場イニング数記録を更新したタフさも無視できない。さらに本塁打20本を超えるパワーも併せて、今後も他チームにとっての脅威となり続けるだろう。
再浮上か、それとも低迷期入りか
長い、それもどん底と言っていい低迷期を抜け、世界一の座に返り咲いたロイヤルズだが、翌2016年シーズンは地区3位と、カンザスシティのファンにとっては落胆すべき結果に終わっている。補強も積極的という程ではなく、現有戦力で来シーズンも闘うつもりのようだ。絶頂の後の長い低迷期を経験しているファンたちからすれば、不安に駆られても仕方がないだろう。
カンザスシティ・ロイヤルズがその黎明期から武器にしてきたのは、走塁などの機動力と、優れた守備力である。それは初めてワールドシリーズで優勝した1985年も、2015年の30年ぶりの歓喜のときも同じだ。
現在の戦力を見ると、ペレスはもちろんのこと、高い走塁力に定評のあるロレンゾ・ケインなど、ロイヤルズの伝統を体現できる選手が揃っているように思える。そう考えると、若い選手たちが、そのキャリアの全盛期を迎えるであろうこれからが、ロイヤルズの本領を発揮できる時期とも考えられ、中長期的には必ずしも悲観すべきではない。
再度の黄金期へ向かうのか、それとも転落の歴を繰り返すのか、目が離せないチームである。
カンザスシティ・ロイヤルズは、1969年のMLB球団拡張の際に誕生し、アメリカンリーグに加入した比較的新しい球団と言える。創設から数年は苦戦を強いられ、地区の2番手に甘んじていた。
それでも1976年に地区初優勝を果たすと、機動力と守備力を武器に地区を3連覇。強豪チームとして認められるようになる。そこからリーグ優勝を果たすまでには、さほどの時間を要しなかった。1980年、生え抜きのジョージ・ブレッドが打率4割に迫ろうかという活躍を見せるなどして、アメリカンリーグを初制覇したのである。ワールドチャンピオンに輝いたのは、さらに5年後の1980年。創設から17年目のことだった。
そこまで順調に歴史を築いてきたロイヤルズだが、黄金の80年代を過ぎた後、長く低迷することになる。初めて地区最下位を経験した90年代を経て、2004年から4年連続の最下位を味わい、かつての栄光が嘘のような時期を過ごすこのである。
復調の兆しは2010年代に入ってから見られ始めた。2014年には ワイルドカードでのポストシーズン突入から、怒涛の連勝でアメリカンリーグを制すと、翌2015年には開幕からスタートダッシュを決め、30年ぶりのワールドシリーズ優勝を果たし、完全復活を遂げている。
強肩でチームを支える、若きチームの要
2016年シーズンは、前年の勢いを維持できずに低調のまま終わることとなったロイヤルズだが、安定した成績を残しているのが、正捕手のサルバドール・ペレスだ。まだ26歳ながら、既に3度のゴールドグラブ賞に輝くなど、MLBを代表する捕手の1人と言っていい。
2013年にはWBCにも出場している、このベネズエラ出身の若者の武器は、まずはその強肩だろう。ルーキーリーグ時代から高水準の盗塁阻止率は、メジャー昇格後も30%以上を維持し、2016年にもリーグトップの48%をマークしている。1塁なら座ったままで正確に送球できる肩で、幾度も相手チームのチャンスを潰してきた。ペレスが出場している時の投手防御率がMLBトップクラスであることも頷けるというものだ。
また、捕手としての2年間の出場イニング数記録を更新したタフさも無視できない。さらに本塁打20本を超えるパワーも併せて、今後も他チームにとっての脅威となり続けるだろう。
再浮上か、それとも低迷期入りか
長い、それもどん底と言っていい低迷期を抜け、世界一の座に返り咲いたロイヤルズだが、翌2016年シーズンは地区3位と、カンザスシティのファンにとっては落胆すべき結果に終わっている。補強も積極的という程ではなく、現有戦力で来シーズンも闘うつもりのようだ。絶頂の後の長い低迷期を経験しているファンたちからすれば、不安に駆られても仕方がないだろう。
カンザスシティ・ロイヤルズがその黎明期から武器にしてきたのは、走塁などの機動力と、優れた守備力である。それは初めてワールドシリーズで優勝した1985年も、2015年の30年ぶりの歓喜のときも同じだ。
現在の戦力を見ると、ペレスはもちろんのこと、高い走塁力に定評のあるロレンゾ・ケインなど、ロイヤルズの伝統を体現できる選手が揃っているように思える。そう考えると、若い選手たちが、そのキャリアの全盛期を迎えるであろうこれからが、ロイヤルズの本領を発揮できる時期とも考えられ、中長期的には必ずしも悲観すべきではない。
再度の黄金期へ向かうのか、それとも転落の歴を繰り返すのか、目が離せないチームである。