Los Angeles Clippers (ロサンゼルス・クリッパーズ)
2024-10-31 / 302 view
ロサンゼルス・クリッパーズの歴史
ロサンゼルス・クリッパーズ(LosAngeles Clippers)は全米プロバスケットボール協会(NBA)ウェスタンカンファレンス・パシフィックディビジョンに所属するプロバスケットボールチームである。チーム創設は1970年、本拠地はカリフォルニア州ロサンゼルス、同地区所属の名門球団であるLAレイカーズとステイプルズセンターを共同利用している。
チーム名のクリッパーは帆付き船のことで前身がサンディエゴにあったために付けられた名称である。同市ではその昔、帆船が活躍していたことに由来する。
クリッパーズの歴史は負の歴史といっても過言ではないだろう。なにせ毎年負け越しは当たり前、2000年代初頭までプレイオフ進出がわずか2回しかなく、ファンも“負け癖”のついたクリッパーズを観ることに慣れてしまっていた位である。同地区に所属していたLAレイカーズの存在があまりに煌びやか過ぎたこともあり、クリッパーズは長らくLAのお荷物球団としての地位を確立していった。
そんなクリッパーズが少しずつ変わってきたのが2011-12シーズンにニューオーリンズから移籍してきたクリス・ポールの存在である。
ポイントガード(PG)であるポールはチーム内外で率先してそのリーダーシップを発揮し他の選手を鼓舞してチームを上昇気流に乗せていった。最高の素質を持つ素材でありながらそれまで燻っていたブレイク・グリフィンのオフェンス能力を劇的に高めLAクリッパーズを強豪チームに仕立て上げている。
クリッパーズを代表する選手
もしLAクリッパーズの試合を観戦するなら是非、注目していただきたい選手がいる。最も目立つのは攻撃の要であるフォワードのブレイク・グリフィンだろうし、ディフェンスならセンターのデアンドレ・ジョーダンのリバウンドも見逃せない。
しかしLAクリッパーズの中心はなんといってもクリス・ポールである。広い視野を持ち相手の弱点を見抜くその眼力と正確無比なアシストパサーとしての能力はNBAでも屈指の実力を誇る。183cmの身長はNBAとしては小柄だが運動能力は一流の選手達に引けを取らない。通常のダンクはもちろんのことジャンプした瞬間に空中でパスをもらってそのままダンクする“アリウープ”も難なく決めて見せる能力を有する。
ポールはポイント・ガードにありがちな「小さくて・俊敏で・アシストに長ける」という3要素に加え、当たり負けしない強靭な肉体と抜群のシュート力を併せ持つNBAでも類を見ない選手になりつつある。今やその存在は伝説的なポイント・ガードと言われたジェイソン・キッドやスティーブ・ナッシュを凌ぐ存在とまで言われる。
そして試合終盤になるとさらに際立つその勝負強さを是非、見逃さないでもらいたい。彼の凄さは僅差のスコアになればなるほど発揮されるそのクラッチシュートに現れる。試合のブザーが鳴るまでは、そして拮抗するゲーム展開になればなるほどクリス・ポールが大男たちの隙間を縫って放たれるその正確無比なシュートにはある意味“脱帽”の感も否めないのである。
クリッパーズに対する想い
創設からつい最近まで「LAの“おにもつ”」とまで揶揄(やゆ)されたLAクリッパーズ、常に目立つ存在のLAレイカーズと比べれば日陰の道をまっしぐらといったところだったが、2010年頃から徐々に力をつけはじめ現在はプレイオフの常連になりつつある。
それもこれもポイントガード(PG)のクリス・ポールの存在をなしには語れない。冷静な判断力と試合展開を読む力で攻撃を組み立て、ディフェンスで相手の強みを消し去ることで試合を支配する流れをしっかりと作っている。
上昇チームにはスタメンに少なくとも3人のコア・プレーヤーが必要である。実際にそういったチームがファイナルを勝利してきた歴史がNBAには存在する。昔でいえばジョーダン・ピッペン・ロッドマン(またはグラント)のブルズしかり、現在のNBAで最も勢いのあるカリー・トンプソン・グリーンのウォリアーズしかりである。
そういった考えに立てばLAクリッパーズはファイナル制覇を狙える最も可能性のあるチームのひとつといってもいいかもしれない。ポールのリーダーシップとグリフィンの爆発的な得点力、さらにディフェンスの要であるジョーダンのリバウンドやブロックショット等、随所に効果的・支配的な能力を発揮できるプレーヤーのお蔭で勝利をコントロールできるチームとして、その存在価値を今も高め続けている。