Minnesota Timberwolves(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
2024-11-07 / 326 view
出典:http://jp.global.nba.com/teams/#!/timberwolves
「ザ・ロスト・デケード」―― 失われた10年
ミネソタ・ティンバーウルブズはアメリカミネソタ州ミネアポリス市を拠点とし、ウェスタン・カンファレンス、ノースウェスト・ディビジョンに所属している。チームロゴからもわかるように、オオカミをモチーフとしたチームイメージとなっているが、これはミネソタ州に生息する「ティンバーウルフ」が由来となっている。略して「ウルブズ」と呼ばれることも多い。
チームの歴史をひもといてみると、NBAに加盟した当初、ウルブズは非常に苦戦を強いられていた。1990年代末まで勝率も5割未満、シーズンを通して20勝に届かないことも一度とならずあったという。一方で、1995年にケビン・ガーネットをドラフトで獲得して以降は、8回連続でプレイオフ進出を果たすなど快進撃を続けた時期もあった。
しかし、2004年のプレイオフ進出を最後にウルブズがその舞台に姿を現すことはなくなった。地元ミネソタでは「ザ・ロスト・デケード」(失われた10年)というフレーズが定着してしまったほどで、通算勝利数で勝ち越せたのも、直近では2004年~2005年シーズンのみだ。低迷を続けるチームはドラフトでも、ステフィン・カリーの指名を逃してしまうなど補強面でもあまりうまくはいってないようである。
出典:http://www.nba.co.jp/nba/2016-17-team-analysis-timberwolves/z1hcuhg3tiqc18t4n2ydh2t43
救世主トム・シボドーだが、NBA最優秀監督賞を受賞したトム・シボドーが指揮をとるようになってから、事態は変わりつつある。まず彼は2016年ドラフトでクリス・ダンを獲得した。ダンは強靭なメンタルを持ち、そのうえ攻守ともに非常に高いポテンシャルを秘めている。彼はシボドーが望む、理想的なプレイヤーといえるだろう。サマーリーグでは脳震盪をおこし、数試合欠場を余儀なくされるアクシデントにもみまわれたが、それでも彼の持つオフェンス力は十分に発揮されていた。近い将来、ダンがチームを支える中心選手に育つかどうかはシボドーの腕にかかっている。
現状としてウルブズの支えとなっているのは20代前半の選手たちだ。そういったルーキーたちの成長がウルブズの運命を左右することとなる。まだまだチームの基礎から築いていかなければならない段階のため、確固としたチームカラーができるまで相当な時間を要するだろう。
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試練のとき
このように、ウルブズは安定性に欠けたチームではある。経験の少なさゆえ、若い選手は勝負のタイミングで判断ミスを犯したり、ディフェンスも上手くこなすことができない。したがって、現在の状況をすぐに一転させることは不可能である。敏腕のシボドーでも、チーム作りに苦戦を強いられることは間違いないだろう。シボドーの描くスタイルとは、第一に守備のペースを確立させ、オフェンスにおいては一人ひとりが自らを犠牲にしつつフォア・ザ・チームに徹するというものである。彼の担う大きな試練として、できるだけ早くそのスタイルに選手たちを適応させなければならないのだ。戦力自体は整っているといえよう。才能や伸びしろのある選手が豊富で、悲観する要素などなにひとつない。現在「失われた10年」と揶揄されているウルブズだが、その汚名から脱却できる日もそう遠くはないだろう。さまざまな試練が待ち受けているかもしれないが、そのポテンシャルが爆発したときには、計り知れないパワーを有したチームへと成長するはずだ。多くの期待を寄せられたウルブズ。ファンも一丸となって、共に全力で歩んでいきたい。