New York Mets(ニューヨーク・メッツ)
2024-11-13 / 510 view
メッツの歴史
ニューヨーク・メッツはナショナルリーグの東地区に所属する強豪で、球団が誕生した1962年以来ずっとニューヨーク州ニューヨーク・クイーンズに本拠地を構えている。1969年と1986年にワールドシリーズを制覇したほか、リーグ優勝5回、地区優勝6回を誇る名門だ。メッツというチーム名は1880年代に実在したニューヨーク・メトロポリタンズというチーム名の愛称から取られている。メトロポリタンズとは「都会」という意味で、メッツは「都会っ子」、というイメージだろう。同じニューヨークを本拠地とするヤンキースとの試合は「サブウェイ・シリーズ」と呼ばれ、多くのファンを魅了するカードとなっており、注目度はメジャーリーグ指折りだ。メッツとヤンキースのスタジアムが地下鉄で結ばれていることから「サブウェイ(地下鉄)・シリーズ」と呼ばれている。常勝軍団のヤンキースに比べ、戦力や日本での知名度は低くあまり知られていないが、地元ユーヨークではメッツとヤンキースは人気二分するほどファンに愛されている。吉井理人、野茂英雄、松井稼頭央、新庄剛志、松坂大輔ら日本人プレーヤーも多く在籍していた。
お荷物球団からミラクル・メッツへ
ニューヨーク・メッツについて語るなら、このミラクル・メッツについて語らないわけにはいかないだろう。もともとメッツは球団が誕生した1962年から4年間100敗以上を喫し最下位が続いており、お荷物球団と呼ばれていた。特に1年目は40勝120敗と大敗を喫している。ちなみにこの時の勝率は.250で20世紀以降の勝率としてはワースト3位だ。しかし、1967年に新人王のトム・シーバー、1968年には19勝を挙げた新人のジェリー・グーズマンらの活躍により戦力は大幅にアップ。結果、1969年には100勝62敗の堂々たる成績で地区優勝を初めて成し遂げる。その後、ワールドシリーズでもオリオールズを4勝1敗で退け、シリーズを制覇するのだった。お荷物球団から一転、ワールドシリーズを制覇した快進撃を見た人々は「ミラクル・メッツ」と称賛する。ワールドシリーズを制覇したとき、ニューヨークの新聞は優勝パレード当日の天気を「晴れ、所により紙吹雪」とおしゃれに祝福した。
2度目のシリーズ制覇
2度目のワールドシリーズ制覇も劇的なものだった。1986年にエースのドワイト・グッデンを中心に快進撃を続ける。ワールドシリーズに進出したが状況はかなり不利だった。相手はボストン・レッドソックス。シリーズは第六戦まで進んでおり、メッツは2勝3敗と負け越していた。6戦目も9回の攻防で、あと一球の所にまで追いつめられる。しかし、最後の一球もうゲームセットかと思われた瞬間、相手選手のまさかのトンネルエラーによって奇跡的に逆転。そのままの勢いでシリーズを制するのだった。まさにミラクル・メッツの名にふさわしいシリーズ制覇だったといえるだろう。その後は低迷期が続くが2015年にはリーグ優勝を果たし、久しぶりにワールドシリーズに進出。制覇はならなかったものの、今後の活躍が大いに期待されるシーズンとなった。来シーズンも先発投手。リリーフ陣共に健在で、故障さえなければ良い成績を残すことが期待されている。しかし、主軸を打っていたヨエニス・セスペデスやニール・ウォーカーがチームを抜けることが決まっており、攻撃陣に厚みがないのが弱点だろう。攻撃陣の補強が成功すれば、ポストシーズンに進出、ワールドシリーズも見えてくるはずだ。ミラクル・メッツの名にふさわしい活躍を見せてくれるかどうか、今シーズンも注目だ。