Snow Peak(スノーピーク)
2024-10-30 / 530 view
snow peak、ワンランク上の日本発キャンプブランド
snow peakの歴史は1958年、初代社長の山井幸雄が金物問屋を立ち上げた日に遡る。谷川岳を愛した登山家は、当時の登山用品のクオリティの低さに我慢できず、みずから登山用品の開発を始めたのが現在のsnow peakの始まりだ。当時、海外の8,000メートル峰への初登頂が相次ぎ、日本国内でも登山ブームが巻き起こる中、登山用品の質が登山の内容に追いつかず、死亡事件が起きたこともあった。質の高い登山用品の開発は登山家にとって喫緊の課題だったのだ。
1963年にsnow peakを商標登録。そして1986年に社長の息子、山井太がオートキャンプという新しいキャンプの形に焦点をあてたキャンプギアをつくり始める。それまでの持ち運びの簡便さが重視される登山用ギアと違い、車で運ぶことを前提にしたものづくりは、重量という問題から開放される。重さを考慮にいれなければ頑丈なモノづくりが可能になるのだ。snowpeakはこうして新しいキャンプライフを提案するとともに、質の高いキャンプギアを次々と世に送り出してきた。
今回紹介するsnow peakのクッカー(調理器具)は、オートキャンプからソロの山行までをカバーする多彩な品ぞろえ。野外での調理だからこそ、安全に、簡単に、そしてちょっと日常を離れた楽しみを食事に取り入れたい。
奇跡のダッチオーブン
ソロからファミリーまであらゆる形のキャンパーが満足するsnow peakのクッカーのラインナップの中で特筆すべきは全く新しいダッチオーブンだ。
ダッチオーブンとは一般的には鋳鉄製の深鍋で、焼く、蒸す、煮る、いぶすなどあらゆる調理方法がこれひとつで楽しめる。頑丈で男の野外料理にこれを使いこなせれば一目置かれること間違いなしのキャンプギアのひとつ。しかしこのダッチオーブン、普通はとにかく重い。その重さゆえ圧力が増し料理もおいしくなるのだが、いかんせん、重い調理器具は取り扱いが難しい。
snow peakは本社がある鋳鉄の町、燕三条の技術をいかんなく取り込んで、そのダッチオーブンをこれまでにない軽さで仕上げた。荷物の持ち運びが必ずつきまとうキャンパーにとって、少しでも軽いキャンプギアはうれしい。薄く、軽く、火が通りやすいので時間短縮にも一役買う優れものだ。足元の不安定なところが多いキャンプ場で、この軽さは安全にも貢献する。ひとつひとつ日本で丁寧に手づくりされたダッチオーブンで、いつもとは少し違うディナーを家族につくってみてはどうだろう。
店員がリスペクトするブランド
snow peakのクッカーはダッチオーブン以外にも単独行用の鍋セットから包丁、パン切り、まな板に至るまでこだわりの商品が開発されてきた。アウトドアブームが再燃し、安価で購入できるアウトドア製品もたくさん出回っているが、このブランドはめったにバーゲンでお目にかかれない。どの製品も品質には徹底的にこだわり、野外という制約の多い環境で快適に使えるように工夫を凝らされた逸品だ。価格で競争するつもりはないというブランドの姿勢が透けて見える。
以前、大手スポーツ店でテントを購入した際、店員はたまたま若干値引きされていたsnow peakのテントを強く勧めてきた。「今だけなんですよ、うちがこのブランドさんと仲良くさせてもらっているから」と彼は少し誇らしげに話してくれた。この店員の言葉が全てを物語っている。この会社のブランド力の強さ。高い信頼。それがなければこんなにリスペクトした言葉はなかなか出てこないものだ。
ちょっとしたアクシデントが命にかかわるアウトドア。ブランド創生期から命を守り、快適に楽しめるキャンプの姿を追い求めてきたsnow peakだからこそ店員に言わしめた言葉である。