Campingaz(キャンピングガス)
2024-11-20 / 3827 view
フランス生まれの青いカートリッジ
野外で利用するコンロ(ストーブ)の燃料は、以前はガソリンが主流であったが現在ではガスカートリッジ(ガス缶)を利用するタイプが主流となっている。ガスカートリッジにねじ込み溝が切られていて、これに合わせてコンロ部分をねじ込んでセットする。
30年以上前から複数のメーカーから発売されているものの、ガスカートリッジとコンロ部分には互換性がなく、コンロと同じメーカーのカートリッジを使い続けることになるため、コンロ選びは利用者を悩ませたものである。メーカーごとにガスカートリッジの色が異なり、ひと目で使用メーカーが分かるようになっている。
そんな中でも異質な存在であったのが青いカートリッジの「キャンプングガス(Campingaz)」であった。ガスカートリッジにコンロをねじ込む穴がなく、コンロを差し込んで利用するタイプの商品が多かったためである。誕生は1946年フランス。約25年前までは日本でも多くが流通していたが、ガスカートリッジのコンロとの接続タイプが複数あり、商品も他に比べて割高であったことから少しずつ流通量が減り、現在、日本ではコンロ部分の発売はない。限られたカートリッジは発売されており、1996年よりコールマンジャパン(株)が総発売元として販売している。一時期、日本ではカートリッジの販売も中止された時期があり、いずれにしても今後いつまで利用できるかわからない状況である。
日本のアウトドアシーンで見ることは稀に
現在はコンロ部分の商品の販売はなく、ガス式のトーチがコールマンジャパン(株)から販売されているのみである。アウトドアシーンではなく、トーチを利用する作業場で見かけることはあるものの、アウトドアシーンで見かけることはほとんどないのが現状である。たまに、年配の登山者がおもむろにザックから青いカートリッジを取り出して、コッヘルを乗せて調理しているシーンを見ることがある。
キャンプよりも、登山や釣りなどがアウトドアアクティビティの主流だった頃に多く流通していたため、シングルバーナーが多く発売されているが、2バーナーの商品も販売されていたので、料理にこるようなキャンプでも使用されていたが、ガス式コンロに共通して言えることだが、料理にこるなどたくさん燃料を使う場合は、その分多くのガスカートリッジを持って行く必要があることからか、人気の低さもあってあまり流通はしなかった。
カートリッジの販売も種類が限られているため、コンロ部分は十分使えてもカートリッジがなく使用できない事が多いようだ。その為、カートリッジに自身で工夫してガスを充填し利用しているユーザーも少なくない。
当時からマニアックだった青い缶
同じメーカーの中で複数のタイプのガスカートリッジがあり、小さなアウトドアショップではカートリッジが手に入らないようなことが起こっていたキャンピングガス。製品そのものの性能が悪かったわけではないが、ガス式のバーナーはガスカートリッジの手に入りやすさが大きなポイントとなることから、やはり人気は低く、わかりにくいマニアックな商品として位置づけられているように感じていた。
釣具用品店で多く見かけた印象があり、登山、キャンプよりも釣り愛好家に馴染みがあるのではないだろうか。陳列棚の下段のカゴに青い缶が乱雑に入っているシーンが思い出される。それでもシングルバーナーはたまにフィールドで見かける事があるが、日本でキャンピングガスの2バーナーを使っているシーンには出くわしたことはない。
全体的に錆びて使い古しているシングルバーナーでもちゃんと使えていて、持ち主の使い慣れた様子で操作している。ちゃんと使えるからフィールドで利用しているので当然なのだが、そんなシーンを見ると嬉しくなる。