Therm-a-Rest(サーマレスト)
2024-08-07 / 442 view
アウトドアブランドTherm-a-Rest(サーマレスト)革新と発展の歴史
40年以上の歴史を持つTherm-a-Rest(サーマレスト)ブランドは、ボーイング社のエンジニアだった3人の男たち、ジョン・バロウズ、ジム・リー、ニール・アンダーソンによって、アメリカ・シアトルに立ち上げられた。彼らは「星空の下で心地よく眠る」という自らの夢を実現すべく(公式HPより)、アウトドア用マットレスを開発、特許を取得して発売すると、Therm-a-Restはアメリカ・ヨーロッパを始め、世界中のアウトドア・キャンプ愛好家に愛用されるブランドとして成長を遂げていった。
世界初のセルフ・インフレーティング(自動膨張)タイプのマットレスに加え、80年代以降はクローズドセルタイプの「リッジレスト」「Zライト」といった、現在でも人気商品となっているシリーズを発売、アウトドア用マットレスと言えばTherm-a-Restと言われる程、不動の評価を得るようになる。
その、革新的でユーザー視点の開発力が評価され、専門誌の編集者や読者の選ぶ賞を数多く受けてきた。2009年に発売された「ネオエアー」シリーズでも、いくつもの特許技術により、従来のエアータイプマットレスに比べて、暖かさと軽さが圧倒的に優れ、業界団体も含めた複数の賞を受賞している。
シーン別Therm-a-Restマットレスの使い方
Therm-a-Restに限らず、アウトドア用のマットレスの目的は、地面の硬い凸凹をカバーすることと、冷たい地面に体温を奪われるのを防ぐこととが基本となる。また、歴史の紹介でも触れたように、マットレスの種類も大きく分けて3種類あり、それぞれの特徴に合わせて、適したシーンも異なってくると言える。
例えば、比較的気温の高い春から秋にかけて、標高が低く柔らかめの土地でキャンプを計画するなら、クローズドセルタイプの「リッジレスト」や「Zライト」のスタンダード版がいいだろう。低価格で耐久性に優れているので、他のロケーションでも活かしたいアイテムだ。
早春や晩秋、標高が中程度の土地ならば、同じクローズドセルタイプでもアルミ蒸着により暖かさが増した「リッジレスト ソーラー」や「Zライト ソル」、セルフインフレーティングタイプの特徴は手軽さだ。内部で空気の移動ができる構造のため、バルブを開けば、ほとんど自動的に膨らんでくれ、クッション性にも優れている。
冬山や標高が高い硬い地面でも、快適に眠れるのはエアータイプの「ネオエアー」シリーズだろう。エアータイプならではのコンパクトさとクッション性の良さに加え、クローズドセルタイプの2倍以上になる保温力は、氷の上でも眠れるとの声があるほどだ。
みんなそれぞれのTherm-a-Rest
睡眠は現代人にとって重要なテーマとなりつつあるが、アウトドアシーンにとっても同様である。BBQが目的の楽しいキャンプでも、眠りの質が低ければ翌日は充分に楽しめないかもしれない。冬山や長期に渡るキャンプなら、体力の回復は安全面からも更に強く求められるはずだ。
幅広いラインアップを持つTherm-a-Restだが、前述したほかにも、各タイプのマットレスには女性用や持ち運び重視の軽量版もあるなど、細かいニーズにも応える商品を開発していることは特筆すべきだろう。また、例えば丈夫なクローズドセルタイプと軽くて暖かいエアータイプを組み合わせるなど、個人の好みやシチュエーションに合わせた使い方も可能である。
アイテムの充実が、アウトドア・キャンプ愛好家の裾野を広げるのに一役買ったことは想像に難くない。創業者3名の夢は、今や世界中のキャンパーたちに共有されているのだ。彼らは、今日もTherm-a-Restマットレスの上で、それぞれの星空を見上げながら快適な眠りについていることだろう。