Kelty(ケルティ)
2024-09-03 / 197 view
リュック・バックパックの生みの親、Kelty(ケルティ)
Kelty(ケルティ)は1952年にアメリカで生まれたリュックサックブランドだ。創業者のディック・ケルティは、建築家であると同時にアウトドアの愛好者でもあった。彼はそれまでフィット性や装着感に難があったアウトドアリュックを自ら改良し、自宅ガレージでの試行錯誤の果てに現在我々がよく知るリュックサックの形を作り上げた。
リュックにウエストベルトを取り付けてフィット性を向上させるアイディアを生み出したのはほかならぬケルティである。ケルティはまさに現在のリュックの祖とも言えるブランドなのだ。
ケルティの開発したリュックは瞬く間にトップクライマーからストリート、さらにはアメリカ軍などのプロフェッショナルにまで広く愛される不動の地位を築き上げた。半世紀以上の歴史の中では数々のアイテムが生み出されてきたが、いわゆるケルティらしい「シンプルさ・レトロさ」は今に至るまで脈々と受け継がれており、モノにこだわる人々から広く支持されている。代表的なバックパックは全体的にフラットなシルエットが特徴で、アウトドアシーンだけでなくタウンユースにも耐えうるデザインになっている。
タウンユースから日帰り登山まで耐えうるKeltyのバックパック
ケルティのバックパックはストリートのファッションアイテムとしても人気を博している。しかしもともとがアウトドアリュックのブランドだけあって、ケルティのバックパックは登山を始めとしたリュックのタフさや機能性が求められるシーンでその真価を発揮する。
ただキャンプを要するような長期間の登山ではなく、あくまでコンセプトは「日帰り登山向けのデイパック」であるため、手持ちのギアの中でも役割を明確にすることが必要だ。それを踏まえてさえいれば、ケルティのバックパックはハードな使用にも十分に耐えてくれるだろう。
Keltyのバックパックは飽きのこないデザインと高い機能性が魅力
ケルティのバックパックを一言で表すのなら、「普遍」という言葉が最適だろう。それはタウンユースから日帰り登山までという、日常・非日常の境を飛び越えたシーンで使えるという意味でもあれば、安直なトレンドに流されることなく誕生当時から受け継がれてきたシンプルで飽きのこないデザインを表現するものでもある。
だが、ケルティのアウトドアアイテムたちは、長い歴史のなかでは変化を受け入れ続きてきた。例えば日本ではBEAMSやLOSTHILLSといった人気ブランドとのコラボレーションを発表するなど、キャンプ用品・アウトドア用品としてのクオリティは担保しつつ、常にトレンドとの距離を上手に取りながら歩んできている。はじめはバックパックのみだったケルティのアイテム展開も、今ではテント、シュラフなどにも広がっており、その多くがバックパックと同様「軽くて丈夫」という技術の真髄が詰まっている。
デイパックという新たな地平を切り開いたケルティ。残念ながら創業者のディック・ケルティはすでにこの世を去っているが、今後も街から山にいたるまで、我々の活動をサポートしてくれる新しいアイテムやテクノロジーの誕生に期待したい。