ZEBCO Reels(ゼブコ/リール)
2024-11-21 / 1308 view
爆弾からリールへ。釣り具ブランド「ZEBCO」の歴史
主要なレジャーとなって歴史の浅いフィッシングのメーカーは、元々異業種で活動していた例も少なくない。例えば、日本を代表する釣り具メーカーのシマノは、もともとベアリングのメーカーだった。
しかし、「ZEBCO」ほど大胆な転換を経て釣り具業界に参加したメーカーはないであろう。
「ZEBCO」は、元々鉱山用の時限爆弾を製造するメーカーだった。そのブランド名は、「Zero Hour Bomb Corporation」に由来している。「ZEBCO」が釣り業界に参入するきっかけとなったのが、とある時計職人が画期的なリールのアイデアをZEBCO社に持ち込んだことだった。彼のアイデアは、1949年、世界で初のスピンキャストリールとして商品化され、その簡単な操作性から一躍有名となった。
1956年までには、時のアメリカ大統領アイゼンハワーから商品をホワイトハウスに送るよう頼まれるほどの信頼性を勝ち取った。その際、積み荷に「Zero Hour Bomb Corporation」と記載されていたことからホワイトハウスがちょっとした騒ぎになったのは有名な話だ。「ZEBCO」は現在に至るまでリールのトップブランドとして多くの指示を集めている。
「ZEBCO」がおくる画期的なリール
「ZEBCO」の看板商品といえば、間違いなくスピンキャストリールだろう。日本でのリールの主流は、スピニング・ベイトリールだが、スピンキャストタイプには根強い愛好者が存在する。
そのスピンキャストリールの中でも画期的な製品を世に送り出し続けてきた「ZEBCO」の最新モデルが「OMEGA Pro」だ。「OMEGA Pro」は最高級の素材と「ZEBCO」の技術を結集したハイエンドモデルとなっている。ダイキャスト・アルミニウムのボディは航空機に使われるものと同じで、カバーによる重さを一切感じさせない。スピンキャストのメリットであるバックラッシュの少なさはもちろん継承され、釣り人の力を最大限に伝えるハンドルを備えている。
「ZEBCO」ブランドはスピンキャストリールが中心だが、ファミリーブランドの「Quantum」では高品質なスピニングとベイトキャストリールが中心だ。「Quantum」の最上位リール「Tour MG PT」は、多くのベイトキャストリールの中でも最軽量の部類に入る。その重さは、見た目の重厚感とは裏腹に、わずか140グラム(5オンス)だ。ユーザーにまったく疲労を溜めさせないリールと言えるだろう。
初心者が釣りを楽しむための「ZEBCO」スピンキャストリール
スピンキャストリールの醍醐味は、なんといっても操作の簡単さとトラブルの少なさだ。キャストする前にクラッチを押し、投げる瞬間に離す。止めたいところでハンドルを回せば、ギアが入る。ベイトリールなどのキャスティング操作は初心者にとって複雑で、フィッシングにおける最初のつまずきになることも多い。トラブルの少なさも、初心者にとってはうれしい機能だ。
一方で、日本での普及率が低い原因としていくつかのデメリットも挙げられる。まず、摩擦が大きいためキャストの飛距離が出ない。また、同様の理由で巻き取りにも時間がかかる。しかし、アメリカなど渓流の少ない地域では、バス釣り用として多くのプロアングラーがスピンキャストリールを愛用しており、上級者であれば短距離におけるキャストの正確性も他のタイプのリールに勝るとされている。
やはり通常タイプのリールが使いたい人には、「Quantum」の「Tour MG PT」がおすすめだ。その軽さのみならず、搭載されたACSキャストコントロールシステムにより、遠投はもちろん、キャストの目的ごとにリールを再設定する必要がない。まさにプロ向けのベイトリールといえよう。
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