140年以上の歴史を誇るドイツの総合釣具ブランド「DAM」　


フィッシングがレジャーとして人々の間に広まったのは、戦後からだと言われている。その遥か前から、釣具を作り続けているメーカーがある。その名は「DAM」。


ドイツ発祥の老舗釣り具メーカーは、1875年に創業して以来、ヨーロッパで確固たる地位を築いてきた。創業時、日本はまだ明治時代初頭というから驚きだ。「DAM」はその長い歴史の中で、幾度もイノベーティブな商品を生み出している。初の合成ライン「DAMYL」や、初の二段変速リール「Super」などを世に送り出してきた。


しかし、「DAM」の140年を超える歴史は必ずしも常に安定していたわけではなかった。1995年を皮切りに幾度か、経営権が他の企業を転々とし、2001年にはついに本格的に破産の危機を迎えることとなった。釣具業界にグローバル化の波が押し寄せ、対応の遅れた「DAM」は、ついに伝統あるドイツでのリールの生産を停止する決断を下す。しかし、長い歴史を持つブランドが消えることをファンは許さなかった。資金力のある有志のファンが結集し、経営権を獲得することで「DAM」は生き残った。現在は、新体制の下で生産を外注しつつブランドの精神を守り続けている。



革新的な製品を送り出してきた「DAM」のライン


総合釣り具メーカーである「DAM」は、幾つかのサブブランドを展開しながら幅広いジャンルの釣りに対応している。「DAM」ブランドから販売されているライン「DAMYL」は世界初の合成ラインの系譜を受け継ぐ商品であり、ターゲット別に様々な種類が展開されている。「DAMYL SPEZI LINE CARP」は、カープ専用のラインで、川底で気づかれないモスグリーンカラーを採用。計算不可能な魚の動きに対応する柔軟性が特徴だ。


「DAMYL TECTAN SUPERIOR」はDAMYLから派生したリーダーの商品ラインナップだが、こちらも釣り人の高い要求に応える性能を持っている。表面はシルクをほうふつとさせる滑らかさで、摩擦を低減しており、伸縮性や視認性にも配慮されている。また、UVカット加工や形状を記憶しない構造が採用され、連続使用にも耐えうるリーダーに仕上がっている。


「DAM」のサブブランドの一つ「EFFZETT」にも注目すべきラインがある。「EFFZETT 8-BRAID」は、8本の繊維を編み上げたPEラインで、大型魚との格闘に向いている。また、色落ちを防ぐ特殊な加工が施されている。



「DAM」のラインは過酷な環境で真価を発揮する

「DAM」は140年以上の長い歴史を持つが、その質の高さと比較してにリーズナブルな価格設定がなされており、コストパフォーマンスの高いブランドと言える。淡水でのフィッシングが多いドイツ発祥のブランドなので、総じて淡水釣り向けのアイテムが豊富だ。


「DAMYL」は、ターゲット別に10種類ほどのラインナップがあり、カープからイールまで幅広く対応している。また、強い耐久性を誇るので、ごつごつした岩が多く難易度の高い釣り場でも力を発揮し、困難な環境で格闘するユーザーをサポートしてくれる。「DAMYL TECTAN SUPERIOR」と組み合わせれば、多くの釣り人が悩まされるノットの脆弱性にも対処が可能だ。「TECTAN」には、さらに透明度の高いフロロカーボンモデルもあるので状況に応じて使い分けられる。


「DAM」のグループブランドである「EFFZETT」は、「DAM」が最も注力していると言われるブランドであり、ラインにもそのこだわりが反映されている。非常に優れたしなやかさをもつので、プロのアングラーに最適と言えるだろう。