ABU GARCIA Baits, Lures & Flies(アブガルシア/ベイト,ルアー&フライ)

 2024-08-18 / 235 view

ABU GARCIA  ルアー
精密機械メーカーから始まったABU GARCIA


ABU GARCIAはかつてひとりの時計職人が興した精密機械メーカーが前身となっている。カール・アウグスト・ボーストロームという名の時計職人は北欧の時計工房で修行を積んだ後、ABU社と名付けた会社を立ち上げる。


ABU社は当初懐中時計や電話機器、タクシーの料金メーターなどを製造していのだが、第2次世界大戦の折に車の交通が規制されたことで主力製品であったタクシーメーターの需要が激減してしまった。そこでABU社はタクシーメーターに代わる看板商品として釣り具の開発を始めた。その品質は高く評価され、大戦終結後の1951年にはスウェーデン王室御用達という名誉を授かっている。


精密機械メーカー発祥とあってABU GARCIAの代表商品はなんといってもリールだ。特に1952年に発表されたRECORDアンバサダー5000は、その後に続くベイトキャスティングリールの手本になったとも言えるような革新的な製品だった。


他業種から釣り具業界へ参入したメーカーの特徴なのだが、ABU GARCIAも従来のリールやルアーにはなかった異業種からの発想を数々取り入れた製品を発表し続け、現在では世界を代表する釣り具メーカーの一つとして釣りを愛好する多くの人に支持されている。


ABU GARCIA ルアー
ABU GARCIAと日本との関係

前述のABU社は1979年にアメリカのガルシア社を買収し、社名を「アブガルシア」と改める。それと時を同じくして日本においても同メーカーの存在感は増して行った。


日本は世界的にもレクリエーションやスポーツとしてのフィッシングが盛んな国であることから、ABU GARCIAは日本を特に重要なマーケットとして見定め、淡水用から海水用まで日本の多様な地理にマッチした日本使用の製品を数多く送り出しきた。


90年代には今江克隆とのコラボレーションが大きな注目を集めた。その他にも青木大介といった国内屈指のプロフェッショナルたちも製品のプロデュースに携わることもあり、日本とABU GARCIAのシナジーによってプロダクトの品質は加速度的に上昇していったという経緯がある。


海外メーカーの製品はもちろん本国での使用を念頭に置いて設計されていることから、日本の独特な環境には十分に適合しないことも多い。しかしながら当初から日本向けを意識して作られてきたABU GARCIAのルアーやリールは、その心配をする必要もなく、日本のならではのあらゆるフィッシングシーンでその高い品質を身をもって実感することが出来るだろう。


ABU GARCIA ベイト
日本のフィッシングシーンに密着したABU GARCIA製品

ABU GARCIAのルアーやフライ、バイトなどの疑似餌は、先程も述べたように日本仕様のものが数多く国内に流通している。


日本のフィッシングシーンにおける環境、魚種などを考慮した上で細かいチューンアップが施されており、海釣りから川釣り、湖でのフィッシングまであらゆるシーンに対応している。また近年ではスキッドジグのなかにもタチウオ向けのカラーが新たにリリースされており、「かゆいところに手が届く」を地で行くようなブランドであることが改めて実感できる。


日本向けの製品を手がける釣り具メーカーはABU GARCIAだけではないが、日本人好みのきめ細やかな製品フォローを続けてくれるという点に好感が持てる。もちろん性能も申し分ない。たとえば先程のスキッドジグはイカの動きをイメージした設計がなされており、巻き上げ時・フォール時の両タイミングで鉛直方向の回転と横方向のスライドを抑え、より直線的な「イカらしい」動きを実現するという革新的な機能を搭載している。


日本との関係性も長く深いメーカーだけに、今後もさまざまな日本向け製品が生み出されることは間違いないだろう。次はどんなイノベーションでフィッシングシーンに新風を吹き込んでくれるのかが楽しみだ。

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