Gary Fisher(ゲイリーフィッシャー)の自転車
2024-11-20 / 3662 view
MTBのレジェンドが生んだブランド、Gary Fisher
自転車界の生けるレジェンド、ゲイリー・フィッシャー。彼が立ち上げたブランドが、その名を冠したGary Fisher(ゲイリー・フィッシャー)だ。
1993年以降、有名な自転車ブランドであるトレックの傘下に入っており、彼の名前を冠したバイクは販売されていないが、今なおGary FisherのMTB、クロスバイクなどは人気を博している。
もともと創業者のゲイリー・フィッシャーはロードレースの選手だった。その後友人たちと、ビーチクルーザーといわれるバイクを改造。ビーチクルーザーとはアメリカ西海岸のサーファーたちに好まれて乗られた、変速機のついていない単純なつくりのバイク。そのビーチクルーザーを改造したのが今のMTBの原点といえるだろう。
ゲイリー・フィッシャーが考案したプロダクトの中に29er(ツーナイナー)というMTBの規格がある。走行性能と共に砂利道などのオフロードでも走行をより快適にするため、29インチのタイヤを装着したMTBを考案。今ではMTBの1つのカテゴリとして定着している。
Gary Fisherの考案した29er
Gary Fisherの考案した29インチタイヤのメリットを少しご紹介しよう。ざっくりいうと、オフロードでもクロスカントリーでもどちらでも力を発揮してくれる、ということにある。
普通の26インチのタイヤに比べて29インチは、障害物にあたった時に乗り越えやすい。その理由は接地角度が浅いため乗り上げるのが容易なのだ。加えてグリップ力が良く、ブレーキングやハンドリングにも有利に働くのだ。
そうしたメリットの多い29er。その中でもお勧めのモデルが、Marlin(マーリン)だ。29インチタイヤを装着しているので、メリットは先ほど述べた通り。加えて、シマノ製のコンポーネントを採用。日本の技術を味わうことができる。加えてMarlinのホイールはセンターロック対応のモデルもあるので、Vブレーキからディスクブレーキにカスタマイズすることが可能だ。
もちろん26インチのMTB、クロスバイクも人気だ。例えば1996年に発売された名器、MTBのJoshua(ジョシュア)の人気も衰えない。フレームにはアルミを使用しており、コンポーネントにはシマノを採用。フロント3速、リア9速の27段変速だ。
また、Joshuaのカラーリングのバリエーションによっても異なるが、いかにもアメリカらしいステッカーデザインが魅力的である。流行りに媚びないスタイルで玄人好みの一台だ。
アメリカンスタイルのMTBをお求めなら、迷わずGary Fisher
Gary Fisherは先ほども述べたようにトレックの傘下に入っており、Gary Fisherとして新たにバイクを作り出すことはなくなった。
もちろん、ゲイリー・フィッシャー自身は今でも現役で働き、「マウンテンバイクの神様」として勢力的に活動している。とにかく斬新なデザインと、設計の両方を彼は持ち合わせているのだ。
特に一昔前の、例えば先ほど挙げたJoshuaなどのGary FisherのMTBやクロスバイクは、今っぽくはない。素人目に見れば、スタイリッシュなバイク、誰が見てもクルーなバイク、とは言えないだろう。だが、それがいい。優雅なヨーロピアンタイプのバイクとは一味も二味も違う、いわゆるアメリカンなデザインと乗り心地。それが玄人魂をそそるのではないだろうか。
もちろん、Marlinなど比較的近年に販売されたものは万人受けするデザインだ。人と少し違っていたい、個性を出していきたい、という方にはぜひともお勧めのバイク、それがGary Fisherだ。マウンテンバイクの神様が生み出したMTBを一度味わってみてはいかがだろうか。