FELT(フェルト)の自転車
2024-11-14 / 344 view
モトクロスレーサー、ジム・フェルトが創立したFELT
FELT(フェルト)はドイツとアメリカに拠点を置く自転車メーカーである。創業者はジム・フェルト。彼がモトクロスバイクと出会うきっかけとなったのは、少年時代に、芝刈りのアルバイトで稼いだお金でモトクロスバイクを買ったことだった。
それ以降、ジムは自ら考案したパーツをバイクに組み込むなどして、モトクロスのレースに積極的に参加していた。めざましい活躍を続けていた彼は、次第にその名が知られるようになり、ついにKawasakiからテストライダー兼エンジニアとしての声が掛かったのだ。
以来22年間のうち、Kawasaki、Suzuki、Yamaha、Hondaといった名高いバイクメーカーのエンジニアとして、通算8回の世界チャンピオンに貢献してきた。
けれども、エンジニアとしての仕事はとても過酷であったため、日ごろ体を鍛えているうちに、ジムはトライアスロンという新しい競技と興味に出会うこととなった。当時1982年、スポーツとしてトライアスロンが注目され始めていた頃だ。
もともとモトクロスバイクの部品を自作していたこともあり、トライアスロンの自転車に使用するフレームも、彼は自ら製作するようになった。そして、彼の手によるフレームを目にしたプロ選手たちが、そのクオリティに驚愕し、ジムにフレームの製作を依頼するようになったのだ。
そのうち、ジムは自転車メーカーであるイーストン・スポーツにスカウトされ、そこでも製品開発で活躍をつづけたが、2001年についに独立を果たし、現在のFELTを立ち上げたのである。
FELTオリジナルのアルミバイク、F75とF95
ここからは、FELTの代表的なロードバイクを紹介していきいたい。
アルミフレームで統一感のあるデザインが特徴的なF75は、FELTがこれまで培ってきたアルミフレーム技術が集約されたロードバイクである。F75はレース用ロードバイクとして設計されているが、人気もかなりのものである。価格も比較的リーズナブルであり、そのシンプルな機能性、デザインが多くの人々に親しみやすいのだろう。
軽量のアルミフレームなうえ、集団で走行する目的で作られてもいるため、単独走行でスピードを出し過ぎると、脚力のない人なら多少フラつくこともあるかもしれない。そういう意味では多少注意が必要だが、全体としてはバランスのとれた機能性で、オールラウンドな使いやすさが、その欠点を十分にカバーしてくれるだろう。
また他にも、F95というよく似たタイプのロードバイクも存在する。性能的にはF75とほとんど大差はないが、F95はホイールが2kgを越えるため平地での走行スピードを保ちやすい。使用されているアルミ素材に関しては強度が幾分か強まっているそうだ。
F75と同様このF95も、その使いやすさがゆえ、レースから普段のサイクリングまで幅広く対応してくれることは間違いない。
アルミバイクのイメージをくつがえすFELTの最高品質
アルミバイクというと一般に、いささか頼りないイメージがつきがちだが、FELTのロードバイクはそういったイメージを払拭している。厳選されたアルミ素材、そして長年にわたり幾度となく研究されてきたフレーム技術等、その完成度の高さから、アルミバイクでも想像以上のクオリティを実現している。
実際に搭乗してみると、アルミバイクとは思えない乗り心地を実感できよう。段差や凹凸でも、突き上げ感はかぎりなく軽減され、上りでも重量を気にすることなく軽快なサイクリングが可能である。
プロのライダーから、これからサイクリングをはじめてみようという初心者まで、一度乗ってみるとその使いやすさは病みつきになってしまうだろう。ぜひとも手に入れて、このFELTの誇るアルミバイクの品質を体感してみてはいかがだろうか。