FLTRU103 [ロードグライド ウルトラ]
2024-12-04 / 389 view
デビューから36年ほどたつロードグライドの進化のほどはいかなるものなのか?ウルトラリミテッドと双璧をなすツーリングファミリーの重鎮、ロードグライドウルトラ。2013年、カンパニーが立ち上げた”ツーリングファミリー刷新”計画『PROJECT RUSHMORE』(プロジェクトラッシュモア)の第2弾モデルとしてフルモデルチェンジをはたした同モデルは、どれほどの進化を遂げたのだろう。
祖先たる1980 FLT ツアーグライドから数えて36年となるロードグライドの遍歴にさかのぼる。正常進化をはたしたツアーグライドの正統後継者として誕生したこのモデル。
サドルケースのみを備えるロードグライドと、最高位ツアラーとしての装備が与えられたロードグライドウルトラ。前者のラインナップ歴は1998年からというロングセラーっぷりで、後者は初登場が2011年。2014年に一度カタログから姿を消し、2016年モデルとして復活した経緯を持つ新参モデルなイメージがある。
が、始祖たるFLT ツアーグライド(1980年 / 排気量1,340ccショベルヘッドエンジン)はトップケースをはじめとする装備を備えた最高位ツアラーとして手がけられたモデルで、その点から言えばロードグライドウルトラこそが、ツアーグライドのスタイルを継承するモデルだと言えよう。
ツアーグライドが生まれた1980年は、ハーレーの暗黒時代と言われる大手機械メーカーAMF社傘下の最終年で、その翌年には13人の役員による再独立をはたす(いわゆるバイバック)。つまりこのモデルは、メーカーとしての信頼を失いつつあったカンパニーの危機感が生み出した新生ハーレーの第一歩ともなったバイクで、AMF社のロゴが消えた今も受け継がれていることは大変興味深いとされた。
ウルトラの装備を与えられたことによりツアーグライドの正統後継者となったロードグライドウルトラだが、2011~2013年モデルと2016年以降モデルとでは、根本的な仕様が異なる。それは2013年に立ち上げられたカンパニーのツーリングファミリー刷新プロジェクト「プロジェクトラッシュモア」にある。
放熱性を高めるために水冷機能を併載した新型エンジン「ツインクールド ツインカム103」がウルトラ2モデル(エレクトラグライドウルトラクラシックとウルトラリミテッド)に採用され、新設計のフレームに最新ブレーキングシステム、そしてボディデザインもモダンで流麗なスタイルへとブラッシュアップされた。
この年、レギュラーだったロードグライドがカタログから姿を消したことが話題になったが、翌年このプロジェクトラッシュモアの手が加わった第2弾モデルとしてFLTRXS ロードグライドスペシャルが登場。エンジンはスタンダードなツインカム103だったが、同年デビューのCVO FLTRUSE CVO ロードグライドウルトラはロワフェアリング付きのツインクールド仕様となっていた。
今回試乗するロードグライドウルトラは、そのCVOモデルのスタンダードバージョンという位置付けと言えるだろう。一世代前のモデルと比べて変わった点は、ボディ全体のデザインとライディングポジションに関するディテールだろう。