XL883の車体
パパサン、反攻の狼煙

もともとは、ハーレー社が英国車に対抗するためのレース用として作ったバイクがスポーツスターである。ハーレーの本来の持ち味である、トルク感を感じられる空冷エンジンのモデルの中では一番小さい車体として認知されているのがXL883、通称「パパサン」だ。

XL883は、ビックツインのように大きすぎず、取り回しもしやすいため、都内での移動手段としても最適。そのため、街で走るハーレーのバイクの中でも一番見かけることが多々ある。

もちろん、ツーリングなどで少し遠出したい時にも883ccあるXL883は満足ができる乗り心地だ。 最近では、大型二輪免許を取得する際の教習車としてもXL883が使用されるようになってきており、足つきがよく車体も軽いため乗りやすく、他のビックツイン系と比べると扱いやすいバイクと言える。

そのため、女性ライダーにも人気だ。ハーレーの中でも、低価格で購入しやすいという点も魅力のひとつである。 しかし、「ハーレー乗りたいけど、価格が高いから、安いスポーツスターにしよう。」と思っている方、ちょっと待っていただきたい。
スポーツスターが「乗りやすくて安いだけ」というのはちょっとあまりに表面しか見ていないような気がする。

XL883のカタログ

昔のハーレーが好きなら

耐久性がありハーレーらしい力強いトルク感とアイドリング、そしてV型ツインならではの鼓動感が味わえるエボリューションエンジンを搭載しているのは、現在ではスポーツスターのみ。

古いハーレーのような乗り心地はスポーツスターファンの心を捉えて離さない理由のひとつだ。 純粋なXL883としては、2004年から2009年まで。最近ではアイアン(N)、スーパーロー(L)、ロードスター(R)というシリーズとして残っている。

2004年というと、スポーツスターのフルモデルチェンジが行われた年で、この年からラバーマウントというエンジンの振動を抑えるものが入っており、長距離でもより快適に移動できるようになったスポーツスターがXL883だ。

そして、2007年にはスポーツスターのすべてのモデルが、キャブレターからインジェクションへ燃料供給式方式が変わった。そのため、よりハーレーらしさを求めるなら2004年から2006年までのXL883がオススメだ。

より安定性と燃費の良さを求めるなら2007年から2009年までのインジェクションタイプが良い。

XL883の車体

XL883をあなた色の一台に

街乗りバイクとしてもぴったりのXL883は、カスタム向けのバイクとしても人気がある。どんなカスタムでも対応できる柔軟性はスポーツスターならでは。アメリカ生まれのハーレーを自分の体格に合うように、自分の好みに合うようにカスタムし、オンリーワンバイクに仕上げていくのは日本人の器用さが現れている。

「ハーレーといえば、革ジャンを着てかっこよくしなければ。」というイメージがないだろうか?街乗りファッションにも合わせやすいXL883のデザインは、ハーレー乗りのイメージをよりスタイリッシュに身近にしてくれるだろう。

スポーツスターからビックツインに乗り換えた方が、再びスポーツスターに戻ってくるということも少なくないくらい人気のファミリー。その中でもXL883はスポーツタイプのスタンダードでシンプルで飽きのこない外観が特徴だ。

そのまま味わうもよし、カスタムして乗るのもまた良し。そして、年代によって性能が変わり乗り心地もまた変化するだろう。自分に合ったXL883の楽しみ方を追求してみてほしい。

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