FLHS
2024-12-05 / 821 view
FLHS、洗練の代名詞
ハーレーダビッドソンのFLHS とはどのようなバイクなのだろうか。今回ご紹介するモデルは1993年に発売されたモデルだ。エンジンの排気量は1340cc と他のハーレーダビッドソンのエンジン排気量に比べるとかなり少ない排気量となっている。まさしくハーレーダビッドソンと呼べるような車高が低くエンジンがむき出しのデザインが特徴だ。
ハーレーダビッドソンのFLHS にはショベルヘッドというエンジンが搭載されている。ハーレーダビッドソンの多くのファンに愛用されているエンジンが、ショベルヘッドなのだ。パンヘッドやナックルヘッドなどのエンジンが当時は主流だったが、それに負けず劣らずの美しいエンジンの作り。エンジン自体が洗礼されたデザインというのはなかなかないのではないだろうか。
また、エンジン音やエンジンの鼓動は強烈。ハーレーダビッドソンの中でもトップレベルのエンジン音となっている。確かに今のエンジンは1600cc や1800cc というものがざらにあるため、それに比べるとかなり馬力落ちてしまう。だが、当時のハーレーダビッドソンの中ではトップクラスのパワーだったのだ。ショベルヘッドエンジンは1957年から使われている。それから1993年のモデルまでブラッシュアップというもの続けられてきた。
あなただけのFLHSを
この頃から徐々に車体が巨大化する傾向にあったハーレーダビッドソン。ビックツインを搭載したショベルヘッドはこのような肥大化したボディを十分に運ぶためのパワーというものを追及され開発されたエンジンである。このショベルヘッドのエンジンが楽しめるのはFLHS だけと言っても過言ではないであろうか。
そんなハーレーダビッドソンのFLHS を実際に乗っているユーザーの人たちはどのような印象をこのバイクに持っているのだろうか?まず特筆すべきは今のバイクに比べるとやはり乗り心地や馬力なのは少ないということ。実際に130万円投資すればダイナシリーズやソフテイルシリーズなど2000年以降のモデルが実際に買える。それでもなお、1993年モデルを買うとなるとすればやはりこのバイク自体がものすごく好きだからという理由に他ならない。実際にこのエンジン音というのはこのFLHS だけしか味わえないと言っても過言ではない。特別な乗り心地を手に入れるために買ったので、値段云々は関係ないという意見は多いようだ。ハーレーダビッドソンのバイクの醍醐味の一つであるカスタム性というものもすごく強く、シートを変更したりライトを変更したり、ホイールを変更したりして自分だけのFLHS を作っているという人は多いのである。
不具合はつきもの、それでも愛せるか否か
ただ古すぎる年式ということもあって、不具合を起こすことが多く、メンテナンスの費用にかなりの金額がかかるという声も多いようである。このエンジンはメンテナンスをする際、特別な技術が必要となり、近くにいる修理屋では対応できるという事は少なく、特別な技術を持つ人に頼まなければならないという傾向があるようである。そのため出張費などもかかってしまい、メンテナス費用だけでもバイク1台分買えるという事態に至っている。
そんなFLHS だが、中古市場を見てみると、たまに中古バイクとして出品されている。FLHS自体が日本での流通が非常に少なかったということもあり、なかなかお目にかかれないという状況が多いため、中古市場で発見しただけでもラッキーと思える状態になっている。往年のハーレーダビッドソンのファンからするとこのバイクを持っているだけで自慢になるということなので、このバイクを求めている人は多い。そのため中古市場でFLHS を見つけたら争奪戦になると言っても過言ではないだろう。