XL1200N NIGHTSTER [ナイトスター]
2024-11-06 / 548 view
XL1200N、ライダーが求めたファクトリーカスタム
レトロな雰囲気でありながら、洗練されたスタイル。オーナーを唸らせる完成度の高さ。伝わってくるエンジンの鼓動と足つきの良さがライダー達を魅了しているモデルだ。2008年までスポーツスターファミリーといえば、883ccと1,200ccの排気量別で、「ノーマル(※883のみ)」「ロードスター」「ロー」「カスタム」の計7類が基本モデルとなっていた。
そこに現れたこのナイトスターは、これまでユーザーがオリジナリティを出すために施してきたカスタムを、ハーレーダビッドソン自らが先だって手がけた「ファクトリーカスタムモデル」として登場したのだ。
カスタムを前提にハーレー購入を考える人に対して新しい回答を提示したわけだが、ハーレーの長い歴史を紐解くと、このファクトリーカスタムは時代の潮流が生み出すスタイルであることがうかがえる。
様々なバイクが乗り継がれ、ライダーがバイクに求めるスタイルも様々に変化している。それらを投影したのが今回のナイトスターであり、時代が求めたスポーツスターの新しいスタイルといえるのかもしれない。
ラインの美しさは計算ずみ
ブラック&グレーにカラーリングされ、計算されたバイクの美しいラインを際立たせたデザインは正にナイトスターの名が相応しいものである。エアクリーナーなどのエンジンまわりやフロントスポーク、ハンドルバー、サイドミラー、ヘッドライトカバー、シフトレバー、さらに前後ホイールと、細かなパーツに至るまでダークなカラーリングにまとめられている。
クロームパーツが多いハーレーでは対極にあるスタイルともいえるが、これにより全体的にワイルドでアウトローな雰囲気が漂っており、多くのライダーがその外観に魅了されるだろう。
フロントフェンダーサポートとベルトガードはパンチング(穴あき加工)されており、分かる人には分かる、ハーレー通に対するさりげないこだわりと挑戦が垣間見えることも非常に興味深い。さらにスタイリングを際立たせているのが、フォークブーツとフューエルタンク、そしてフロントフェンダーの3点。フォークブーツは純正パーツを標準装備したもので、ブラックアウトされたスポークホイールとともにヴィンテージテイストな印象に仕上がっている。
ナイトスターは、さらなる高みで輝く
フューエルタンクは883ccに装着されている容量12リットルのミニタンク。ユーザーの「よりスタイリッシュにより細く」という要望に応えたカスタムである。また、車体も低めの設定になっており、ハンドルの幅は肩幅より少し外に出ている程度。
走行時における加重の位置を低く保ち、走行時の安定感を実現しており、小柄な日本人向けといってもいい。フロントフェンダーは、タイヤとのクリアランスを狭めることで、足回りをよりスリムに見せており2009年モデルのスポーツスターファミリー全般に採用されている仕様である。
前後にはショートタイプのサスペンションを装着。そして見逃してはならないのがリアフェンダー。2009年モデルよりショートフェンダーに変更しているのだが、ここに取り付けられている「LED一体型ターンシグナル」は、ウインカーとテールランプが一体化した斬新な形状をしている。
このパーツはナイトスターとXL883Nアイアンだけに使用されている。ライダー目線に立ち、より高い性能とデザインの完成度を目指した結果産まれた結晶がナイトスターなのだ。