XLS1000 [アイアンスポーツ]
2024-11-17 / 1427 view
XLS1000、またの名をロードスター
XLS1000のモデルはまたの名を「ロードスター」という愛称でも親しまれたアイアンスポーツの名機である。ビックツインのショベルヘッドに比べると現在取り扱われている中古車のタマ数はそれほど多くないため、非常に入手困難なモデルとしてマニアの間では人気の車種となっている。
新車販売時に日本に入ってきたアイアンスポーツ全般の台数自体も非常に少なかったため、現在日本国内で流通しているアイアンスポーツは近年にアメリカから日本に引っ張ってこられたものがほとんどである。
ビックツインのショベルヘッドと違い、アイアンスポーツの整備を得意とするビルダーやカスタムショップは国内にとても少なく、中古車において整備状態がよろしくない車輌も多いよう。購入後にある程度の修理やメンテナンスに手がかかるのは覚悟して購入しなければならないだろう。
これからアイアンスポーツの購入をされる方は、できるだけアイアンスポーツを扱った経験が豊富なショップに相談し、納車までに状態の確認をしておくことが必須条件となるであろう。
香るのは、古き良きアメリカ
仮に現状で不具合があるならば、どこまでメンテナンスを行うのか、予算額を検討しながら、あらかじめ相談した方がいいだろう。
現車渡しで安く手に入れることができた半面、後からエンジンやミッション関連のトラブルに悩まされている人もたくさんおり、アイアンスポーツにネガティブなイメージを持ってしまう人がいるのが非常に残念ではある。
XLS1000はその希少価値の高さから入手困難とされているが、その姿に魅力を感じている方はどこに注目されているのか? それはまさしく「古きよきアメリカ」を彷彿とさせる、その時代の匂いや雰囲気を感じ取ることができる部分であるといえるだろ。
それこそがアイアンスポーツの魅力といっても過言ではない。
エンジンやトルクにハイパワーを追い続けた60、70年代のアメリカのモーターシーン。OHVのエンジンから如何にパワーを出していくのか?それだけをひたすらに追求していたあの頃。戦後の時代を生きたショベルヘッドはかけがえのない魅力的な乗り物となった。
低速愛好家はご遠慮ください
特に1969年~1981年は他社のメーカーに負けないよう、年を追うごとに排気量や点火系などパワーを求めて合理的に進化していった。点火系やキャブレターなど、この時代に大きな変化を遂げており、その中でも特にこのアイアンスポーツは大きく進化している。
特にXLS1000はトルクフルな仕様なため、直進時の安定性が高く、燃費も比較的に良いので長距離での走行でも十分に対応できる。逆に難点を挙げるとすれば、ステアリングが低速ではパタンと倒れる印象なので、渋滞時の低速でのすり抜けなどでは腕力でハンドリングから車体を持ち上げバランスをとらなければならない。
低速での走行にはやはり向いてないといえる。外装部分ではこのモデルからCRフレームに変更され、これまでアイアンスポーツの象徴ともされてきたKフレームから逸脱する形となる。このCRフレームの特徴としては、どちらかといえば日本車に近い構造のフレームに近づき、オイルタンクやバッテリーの配置もこれまでのKフレームのときとは異なってくるため、見た目の印象も少しかわってくる。
アイアンスポーツ特有のKフレームを好む方にはあまりおすすめできないモデルかもしれない。