スポーツスター XL883R
2024-11-04 / 508 view
XL883R、走りのスポーツスター
スポーツスターといえば、チェックのデザインでブラックとオレンジの色をしたタンクを思い浮かべる人も多いのではないだろうか? スポーツスターの代名詞とも言えるモデル。それがXL883Rである。Rはロードスターの頭文字となっている。
1980年代に人気があったはハーレー社のファクトリーレーサーXR750そのもののタンクデザインを採用ししており、スポーツスター存続の強い意思が伺えるとともに、「走り」を意識したバイクであることは容易に想像出来るであろう。
初登場は2002年。翌年も登場したが、スポーツスターのフルモデルチェンジが行われた2004年から翌年の2005年には姿を1度消し、2006年に再び登場し現在にいたる。
2008年には燃料供給式方式はインジェクションに切り替わった。2015年からは、長年頑なに守っていたタンクデザインが一新され、よりスタイリッシュなデザインとなっている。
走りを追求するなら
ローダウン傾向にあるハーレーの中でも、重心が高めに設計されているのがXL883Rである。サスペンションも長めで、ステップやマフラーも高めの位置に設定されている。
多くのハーレーのモデルは、カーブでバンクをしてしまうとパーツを擦ってしまい、モデルによってはエンジンガードが必要な場合もあるだろう。しかし、XL883Rはきちんと重心移動によるバンクを楽しむことができるスポーツスターの名前通りのモデルとなっているのである。
リヤブレーキで止まるというハーレーのイメージが強い中、フロントブレーキのみダブルディスクを搭載しているのはこのモデルのみ。XL883Rの1番の特徴と言えるポイントであり、883シリーズでは唯一のことである。スポーススターファミリーの中でも走りやすさと性能を1番追求しているのがXL883Rなのだ。
アイドリングも高めなので始動もしやすく、クラッチも握りやすくなっている。扱いやすく小回りがきくので、教習車両にXL883Rが選ばれるのも納得である。
スポーツスター本来のスタイルを受け継いでいるXL883Rならではの設計。走りを追求するなら迷いなくこのモデルを選ぶべきであろう。古くさいと思う人もいるかもしれないが、昔ながらのコンセプトを継承しているXL883Rは、今でも根強い人気を誇るモデルである。
本当のハーレーファンなら即
しかし、本国アメリカではXL883Rは人気が無いらしく、既にカタログ落ちをしている。現在日本にある在庫がなくなればカタログ落ちするとの噂もあるため、新車を手に入れるなら早い方が良いかもしれない。スポーツタイプのバイクということもあり、本国アメリカよりも、欧州やアジアでの人気が高いようだ。
また、1つだけ気をつけて頂きたいと思うのは、後ろに人を乗せるときである。タンデムシートは付いているのだが、どうも乗り心地としてはあまり良いとは言えない。
特にフルモデルチェンジ前の2002年と2003年のラバーマウント化されていないエンジンは、一層振動が伝わってくる。シートの面積も大きいとは言えないため、この点は注意した方がよさそうだ。
近年ではオシャレでローダウン化のハーレーが人気の傾向にある中、このバイクに興味を持っているあなたはある意味本当のハーレーファンといえるだろう。ここまで頑なにスポーツスターの歴史とコンセプト受け継ごうとしているモデルは他には無いように思える。XL883Rで、ぜひスポーツスターの本来の乗り心地を楽しんで頂きたい。