TOURING FLH-80 POLICE SPECIAL
2024-11-16 / 852 view
FLH-80、これぞハーレーの一台
まるでおとぎ話の世界から飛び出したような、伝説的なハーレーダビッドソンといえば何か。王道中の王道、ハーレーを知らない人が見ても『ハーレーダビッドソンだ』と一目で分かる一台、それがポリススペシャルモデルである。何より大事にしたいのは、全体のシルエットである。
ディテールにどれだけ手を入れても、最後にビシっと決まっていないと意味がない。カスタムにおいて長年の経験から、“これぞ”というものを描いてまとめていかなくてはならない。このモデルにはそういった古くからのバイカーに親しまれてきたアメリカンなテイストを、初めからふんだんに盛り込んだフォルムだと言える。まずこの一台、従来よりもローダウンさせられているというこだわりから始まる。
この際、リアに設置されたサドルケースとリアまわりのバランスが合わなくなり、そこでサドルケースの位置も同じく下げるようにバランスをとってカスタマイズする方もいる。しかし、干渉する部分がいくつか発生し、リアブレーキキャリパーを小径化させるなどさまざまな工夫を要するだろう。
ヴィンテージの醍醐味を楽しめ
このほかにもメーターコンソールをさりげなく変更したり、テールランプもシウンならではの組み合わせに変えたりと、ハーレーダビッドソン本来のイメージはそのままに、これまでの経験から生まれた工夫を取り入れてバランスよくまとめることができるいわば「ヴィンテージモデル」の代表的なバイクだと言えよう。
妖しく光る大きなテールランプとともに夜のハイウェイを駆け抜けるその姿を思い描くだけで、胸が高鳴ることだろう。一見すると従来モデルのままのようなヘッドライトまわりだが、実はパンヘッド モデルに使用されていたヘッドライトステーをあえて流用して組んでいるという方もいる。
こういった年代をこえた汎用パーツが使えることもこのようなビンテージモデルでのカスタムにおいては醍醐味なのかもしれない。POLICE SPECIALと刻まれたメーターコンソールが印象的だ。従来だと四角いデザインのものが使われているのだが、全体の雰囲気を重視し別車種のものを汎用的に取り入れたりすることも可能である。
醸し出すのは、本場アメリカの雰囲気
ヴィンテージモデルとしての雰囲気を増すためにはホイールキャップでのカスタマイズも重要だ。例えばナイトラン時の街灯でギラっと光る瞬間を楽しむのもひとつのポイントと言えよう。S&S キャブレター Super Eはもちろん、ストローカーキットを取り入れて1,400ccまでパワーアップされたショベルヘッド エンジンにビルドアップされる方もいる。
その乗り味への興味は尽きないに違いない。古き良き時代の左右出しシガータイプ メガホンマフラーを装着するなど元々シンプルな構造だけに、オーナーの慣性を様々なフォルムで表現できるこのバイク。整えられたエンジンのパワーを吐き出すことはもちろん、スタイリングも申し分ないベストチョイスをぜひ体感してほしい。
ノーマル仕様でも排気量 1340CC、燃料タンク 19L、車両重量325kgとかなりの重厚感を醸し出すモデルだが、本場アメリカの雰囲気を醸し出すにはぴったりのバイクである。躍動感そのままに衝動的な走りを楽しめるバイク。この車両は必ずしも「中古車」という表現がもはや当てはまらない。