XR1200X【スポーツスター】
2024-11-11 / 790 view
XR1200X、込められたハーレーの意気込み
2010年度のハーレーダビットソンからの発表の中にひときわ注目を集めるモデルがあった。なじみのXR1200の新型がでたという印象を持った人も多いはず。そうこのXR1200Xは前年度に発売されたばかりであったXR1200をたった1年度にグレードアップさせたのだ。
当然この発表はさまざまな憶測を呼んだ。なぜ1年後に新しいモデルをリリースする必要があったのか。ハーレーファミリーの中では珍しいスポーツモデルで従来のクルーザーモデルとは風貌も大きく異なる。
当然ハーレーダビットソンも巨額の開発費とリソースをかけてリリースさせたわけなので、相当な意気込みを感じずにはいられない。ではこのハーレーファミリーのなかで「XR」を名乗る事を許されたこのXR1200XとXR1200、この記事では後継モデルXR1200Xにフォーカスをしてみよう。
ビューエルの子、でも一味違う
ビューエルより受け継いだエンジンは日本仕様にチューニングされたものが使用されている。ライダーたちの感想を聞いていると、パワーがいまいちだと話す人もいるが、なにより取り回しが軽いという印象を受けるだろう。
ホイールやシリンダーも、ビューエルから受け継いだ要素を持ち合わせているのも特徴だ。ビューエルと大きく異なるのが、前後のサスペンションの構造にあるといえる。
まずフロントフォークに注目すると、スズキGSX-R1000にも採用されているSHOWAのビッグピストンフロントフォークを、リアにはSHOWAのザーブタンク付きサスペンションを使用している。
リザーブタンク付きリアショックにも注目
余談だが、ハーレーファミリーのなかでリザーブタンク付きリアショックを採用したのは、他にはXL1200Sだけである。コーナーリングはそこそこ軽めながら、安定感と剛性感があると言われている。最後に外装について一つだけ触れておくと、真っ黒に塗装された車体はハーレーらしさがでている。
跨るのはハーレーの異端児
では実際に乗った感想はどうだろう。ダイナライダーからするとものすごく軽く感じるだろう。またパワーも十分だと言えるのではないだろうか。アイドリング中に揺れるエンジンは他のモデルとも共通してハーレーの特徴だ。
しかし独特のエンジン音がXR1200Xでは消音されているので、ここが寂しいという感想も聞こえてくる。しかしいくら静かだとはいえ、中回転域をからの力強さは乗っていて気持ちがいいはず。
基本的に街乗りに適しているこのモデルは高速道路ではちょっとつらいかもしれない。そのときはライダーの判断で、風防の取り付けをお勧めする。またシートは若干固く、長距離の移動がつらいという声が多いが、これもご愛嬌。XR1200Xというハーレーダビットソンの異端児を連れ、郊外へ繰り出しハーレーらしい鼓動を感じて疾走するのはきっと気分も最高だ。